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誰が高速道路を「逆走」しちゃうの? 矢印読めないの? 事故件数“危険レベル” 対策どうなってるのか

乗りものニュース / 2024年11月1日 18時12分

実際に起こった逆走事案。ドライバーは矢印などを認知できなかったという(画像:NEXCO東日本)。

高速道路の「逆走」によって痛ましい事故が起きたNEXCO東日本管内。にわかに信じがたい逆走事案は、どのような人が起こしているのでしょうか。発生状況とさらなる対策が見えてきました。

今年の「逆走事故件数」は、もう赤点滅レベル

 NEXCO東日本は2024年10月30日、由木文彦社長の定例会見を開催。管内における「逆走」事案の状況と対策について紹介しました。

 同社管内では8月15日、栃木県内の東北道では逆走車との正面衝突事故が発生し、正しい方向を走っていた乗用車に乗っていた4人が死傷。両親は死亡し、幼い子ども2人が重症という痛ましい事故が記憶に新しいところです。その翌日にも同じ栃木県内で、逆走乗用車とバイクの衝突事故が発生しています。

 管内における2024年の逆走事故発生件数は、9月末の段階で9件と、すでに前年1年間の件数を上回っているといいます。死者3人は2015年以降で最も高い値です。逆走車が周囲の車両を巻き込む重大事故を引き起こしています。

 同社はこれまで、テレビCMも含めた「無くそう 逆走」キャンペーンを展開するほか、道路上の様々な逆走対策を講じてきましたが、依然として無くなりません。対策は新たな局面を迎えつつあるようです。

 今回、北海道の銭函ICで起きた逆走事案が写真付きで紹介されました。そこではICの合流部や本線に、路面に進行方向を示す大きな矢印がいくつもペイントされているほか、合流部の根本はポールで塞がれ、逆走方向を示す看板まで立てられています。

 にも関わらず、合流部で直角に曲がり、本線を逆走していく軽自動車の姿が写されていました。このドライバーは80歳男性で、矢印や看板を認知できなかったそうです。認知症と考えられます。

 こうした逆走事故当事者の55%は65歳以上の高齢者、うち45%が75歳以上だそうです。

わざとやるやつ、いる!

 しかし、逆走事案は必ずしも認知症の高齢者ばかりが起こしているわけでもないといいます。

「高齢の方が多いのはその通りですが、認知ができた状態で逆走している人もおり、バラつきがあります。もちろん若い方もいますし、構造上、逆走しやすい箇所のところは対策をしていますが、それでも一定数います」(田仲博幸 管理事業本部長)

 また今回は、NEXCO東日本からの「お願い」として、「逆走車は追越車線(逆走車から見て左車線)を走行してくる傾向」「逆走情報を見聞きしたら速度を落とし、十分な車間距離をとって前方車両の動向を注視しましょう」と呼びかけました。

 しかし、逆走事案の発生から、それが管制センターに“発見”され、道路情報板などに情報が表示されるまでの時間は「通報のタイミングにもよる」(田仲さん)ため、幅があるといいます。その時間が最も危険な状態といえるでしょう。

 そこでNEXCO東日本は2024年度までをめどに、その対策となる新規技術の公募を予定しているといいます。具体的には、AIの画像処理技術による逆走車の検知、その情報を逆走車や周囲のクルマに、スマホアプリやカーナビなどを通じて速やかに通知する技術などです。

 道路情報板などを司どる管制センターでも、特に警戒している逆走の要注意箇所などはあるものの、何百キロにもおよぶ膨大な範囲を監視しています。一般からの通報が、スタッフのより早い気づきと対処につながるのです。

 だからこそ、監視カメラ映像からAIが即座に逆走の発生を検知できる技術や、それを周囲のクルマに伝える技術によって、リスクを大きく減らせる可能性があります。

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