誰が何に使うの? 「定期入場券」購入補助する自治体も存在 変わりゆく“駅入場”のあり方
乗りものニュース / 2025年1月6日 9時42分
鉄道の定期券というと、通勤や通学などに使う「定期乗車券」がおなじみですが、改札内に入るための「定期入場券」というものが存在します。誰が、どのように使うのでしょうか。
「定期入場券」とは?
鉄道の「定期券」というと、所定の定期運賃を払って、指定の期間・区間の列車が乗り放題になる「定期乗車券」が一般的です。通勤や通学に浸かっている人も多いでしょう。しかし定期券には、列車に乗ることを目的としないものもあります。
それが「定期入場券」です。名前の通り、駅に入る入場券の定期券バージョンです。
普通入場券は、送迎のほか、改札内のトイレ、店舗などを使う際に購入するものです。
一方、定期入場券は、かつて旅館などの従業員が駅構内を送迎する目的などで使用されたといいます。現在、JRでは特定の駅で「特に必要と認められる場合に限って」発行するとされています。
その駅の一つが、JR中央線の高尾駅(東京都八王子市)です。同駅は駅南北の往来が不便であるため、八王子市が65歳以上の人や障害者を対象に、駅構内の通り抜けに必要な普通入場券や定期入場券の購入補助を行っています。
東武線の春日部駅(埼玉県春日部市)にも、同様の制度があります。春日部市による補助事業は、高齢者(75歳以上)や障害者に加え、ベビーカー利用なども想定し未就学児の保護者も対象にしています。駅に東西自由通路などがなく、バリアフリー対策が十分でないためとされています。
しかし、高尾駅や春日部駅の施策は“時限的な”ものです。両駅では工事が進んでおり、南北自由通路や高架化が完成すると、これらの取り組みは終了するとみられます。
ちなみに小田急電鉄は、2016年から全駅で、駅ナカの店やコインロッカーを使った場合、入場券を全額払い戻す制度を導入しています。
一方、JR東日本は2021年、IC入場サービス「タッチでエキナカ」をスタート。これは、2時間以内に同じ駅の改札から出場すれば、入場券と同額を差し引くというものです。いわば、普通入場券のICカード化です。
駅の改良や駅ナカの充実、ICカードサービスの進化によって、定期入場券や普通入場券のあり方が今後少しずつ変わっていくのかもしれません。
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