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「え、なにこれは…!?」 アメリカ軍が“超極秘の異形機”初公開から36年 退役したのに今でも「こっそり飛んでる」のはナゼ?

乗りものニュース / 2024年11月12日 6時12分

アメリカ空軍のF-117「ナイトホーク」(画像:アメリカ空軍)。

世界の軍事専門家たちが驚愕した日です。

初飛行から7年間、存在が秘匿されたニンジャ戦闘機

 アメリカの大手防衛関連企業ロッキード・マーチン社は2024年11月11日、公式X(旧Twitter)で次のような投稿を行いました。

「1988年11月10日、この一枚の粗い写真が、スカンクワークスの秘密を明らかにしました」

 これは、1988(昭和63)年11月10日にアメリカ国防総省が開いた会見で、それまで厚い機密のヴェールに包まれていたステルス機F-117A「ナイトホーク」の姿が、初めて公表されたことを伝えるものです。

 F-117は、世界初の実用ステルス機です。レーダーで捉えにくくするため、曲面をなるべく使わない平面形状を多用した独特の外観を有しているのが特徴です。

 航空機としては空力特性上、不利な形状をしていますが、操縦にはパイロットの操作を電気信号で翼やエンジンなどに伝えるフライ・バイ・ワイヤを用い、コンピュータで常時補正することで、飛行時の安定性を確保しました。

 また、赤外線探知でも捉えにくくなるようエンジン排熱も最低限に抑える工夫が盛り込まれています。そのひとつが当時の戦闘機では当たり前の装備となっていたアフターバーナーの非搭載で、さらに排気口も機体上面に設けるなどして対策を施しています。

 ほかにも自機が発したレーダー電波が敵によって捉えられて逆探知されないよう、あえて機上レーダーは搭載していません。そのため、目標の探知や捕捉用として、レーダー目標指示装置や前方監視型赤外線装置(FLIR)などが備えられていました。

 そして、同機を開発したのが、ロッキード・マーチン社の中でも先進的な航空機の開発を担う組織「スカンクワークス」でした。

退役したはずなのに、なぜか目撃例多数のワケ

 当時、最先端の技術の塊だったF-117は、存在自体が極秘扱いとされたため、1981(昭和56)年に初飛行し、1982(昭和57)年に部隊配備が始まったものの、アメリカ国防総省が写真を公開したのは先述の1988年でした。しかも、その後も撮影には制限がかけられたほか、詳細も公にされることはなく、極めて厳重に秘匿され続けました。

 ただ、その後、より優れたステルス性を持つB-2爆撃機やF-22「ラプター」戦闘機などが登場したことに加え、F-117自体が高いステルス性を維持するために整備間隔が短く、運用コストがほかの軍用機よりも高い一方、逆に汎用性は劣っていたことなどが影響し、2008(平成20)年4月22日をもって全機退役しています。

 とはいえ、退役後もネバダ州でモスボール保管されたほか、一部の機体は試験や仮想敵役として再び飛んでおり、第一線から退いたとはいえ、その有用性はまだ残っているようです。

 ちなみに、本機は型式記号が「F」であるため、アメリカ軍では戦闘機に分類されていますが、前述のとおり、機上レーダーを装備しておらず、また機体構造の点からも空戦能力はあまり高くないため、実質的には攻撃機として運用され続けました。

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