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なぜ「電車内が暑い」と毎年言われているのに「弱暖房車」がないのか? 実は気づいていないだけ!?

乗りものニュース / 2024年11月25日 8時42分

冬場の乗車イメージ(画像:写真AC)。

冬場の電車内の暖房が効きすぎていて暑いと思う人も多いのではないでしょうか。SNSでもよくそういった声を聞きますが、なぜ「弱暖房車」は作られないのでしょうか。

車内暖房の暑さどうにかならないの?

 寒い冬に電車に乗ると、今度は一転して「暑い」と感じることがあります。車内に限っていえば電車はある意味、夏場の冷房が効いた状態より冬の方が大変かもしれません。

 寒くなり始めた2024年11月中旬には、SNSで「暑さ」に関する投稿も相次ぎました。「みんな防寒着着て乗ってるんだから暖房つけてても窓くらい開けたっていいだろ暑すぎんだよ」「会社も外も寒いのに電車だけ暖房ガンガンでクソ暑」といった声が見られます。

 夏の場合は、冷房を弱めに設定してある「弱冷房車」を選んで乗ることができますが、冬場の「弱暖房車」はなぜ存在しないのでしょうか。

それは電車の暖房の設定温度が関係しています。都内で運行している各鉄道会社の車内の設定温度は、事業者ごとに異なります。基本的には車内の混雑状況や外気温で車掌が判断し暖房のON・OFFを行っています。他方、温度を感知するセンサーにより自動運転し、車内温度が20度以下で作動し、22度以上になるとスイッチが切れる――といったケースもあります。

 JRに関しては路線が多いため、路線や区間によって異なりますが、都営地下鉄の場合は、20度設定でON・OFFはセンサー感知式となっており、地中深くを通りもともと外気温が高めの大江戸線は、原則として暖房を使用していないそうです。

なお、パナソニックが一般家庭の暖房の設定気温を調査したところ、もっとも回答が多かったのは25度で、続いて23℃と続きます。全体として22~25度に設定する家庭が多いとのことです。

 つまり、電車内の暖房の設定温度は、利用客が上着を着こんだ状態で乗車することを想定して低く設定されており、ある意味では最初から「弱暖房車」といっていい状態にあります。

実は利用客が温度調整をする前提!?

 冷房の場合は、車内の寒さ対策のみのために上着を持っている人は少なく、その場での対応が大変なことから、「弱冷房車」が設けられているという経緯があります。しかし、冬場に関してはマフラーや上着を脱げば、個人ごとに温度調整ができてしまうため、もともと弱め設定の暖房をさらに弱くする必要はないのです。

 ただ、満員電車など身動きができない状態では、そういった個人での調節も難しくなります。

 都営地下鉄では「利用いただくお客様に少しでも快適にご乗車いただけるよう、引き続き適切な空調の管理に努めてまいります」としています。一方、東急は「車内の冷暖房に関しては、『暑い』『寒い』両方のご意見等お客さまからさまざまな声をお寄せいただいております。温度の感じ方に個人差もあり、すべてのお客さまに快適と感じられる環境を提供できないのが実状です」と、乗客に理解を求めています。

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