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さようなら「サトーココノカドー」52年の歴史に幕 クレしん“聖地”まだまだ激変か? 街の人からは惜しむ声

乗りものニュース / 2024年11月25日 17時12分

過去に東武鉄道が行った「クレヨンしんちゃんラッピングトレイン」。ベースは50050型電車(画像:東武鉄道)。

『クレヨンしんちゃん』の街の百貨店として登場する「サトーココノカドー」。そのモデルとなった「イトーヨーカドー春日部店」が11月24日に閉店しました。詰めかけた街の人からは、切実な困りごとも聞かれました。

本当にコウモリ看板の「サトーココノカドー」になったことも

 アニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台であり、東京圏のベッドタウンとして知られる埼玉県春日部。その街の玄関口である春日部駅前の象徴だった、「イトーヨーカドー春日部店」が2024年11月24日に閉店しました。

 同店舗は『クレヨンしんちゃん』で「サトーココノカドー春日部店」のモデルともなり、地元で親しまれてきた店舗です。1972年開店で、1996年に現在地へ移転しました。

 旧店舗からは52年、新店舗移転後だけでも27年の歴史を持つ店舗です。店内では『クレヨンしんちゃん』に関わるグッズも販売されており、原作のファンが訪れる“観光地”としても機能していました。2018年には屋上の看板を本当に「サトーココノカドー」看板にして話題となったこともありました。

 閉店間際の店舗5階に設けられた掲示板には、利用者から数々の感謝や思い出のメッセージが貼られていました。

 最終日に店舗を撮るために都内から訪れたという30代男性は「子どものときにアニメで見ていた店に来れたのがなんか不思議な気分です。でも今日で無くなってしまうんですよね……」と残念がっていました。

 最後を見届けに来たという、春日部が地元の80代女性は、結婚を機にこの地に移り住んだ『クレヨンしんちゃん』の野原家の大先輩ともいえる方で「来たときはこの辺は沼地で、本当になにもなかったんですよ。夏場の花火大会くらいしか楽しみはなかった」と当時を回想しました。

 そうした最中にできたのがイトーヨーカドー春日部店だったそうで、「当時はそれはもう嬉しかったです。こんな田舎に来てくれんたんだって」と振り返ります。同店が閉店すると、駅前にまとめて買い物をする場所がなくなってしまうということで、「娘や孫に(買い物のため)クルマの運転を頼むしかない」とも話していました。

 19時の閉店時にはさらに多くの人が駆け付け、入口のシャッターが降り始めると「ありがとう!」という声がいたるところから聞こえました。

 なお、春日部駅に関しても、2023年2月4日に高架化工事にともない三角屋根が特徴の東口が閉鎖され、新駅舎の使用が始まっています。また高架化の一環として、現在は旧伊勢崎線上りホームの撤去・伊勢崎線仮下りホームの新設工事や、野田線仮上下線の路盤工事などが進行中です。

 現状、イトーヨーカドーが立つ西口に関してはまだ変化はありませんが、2024年7月末の時点で再開発準備組合が立ち上がっています。『クレヨンしんちゃん』の劇中に登場する春日部駅周辺は、さらに大きく変わろうとしています。

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