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日本最大の客船!?「ディズニークルーズ」で東京が激変か “街まるごと”規模のフネがやってくる“意味”

乗りものニュース / 2024年12月5日 8時12分

ディズニークルーズのイメージ(画像:オリエンタルランド)。

注目を集めているディズニークルーズの拠点が、東京国際クルーズターミナルに決まりました。ほぼ間違いなく日本最大となるクルーズ船であり、受け入れ条件はかなりシビア。受け入れる側も、それなりの“覚悟”が必要です。

ディズニークルーズ「東京」へ

 注目を集めているディズニークルーズの拠点が決まりました。東京都とオリエンタルランドは2024年11月29日、クルーズ船事業に関する連携協定を締結。日本船籍では過去最大となる14万総トン級の新造クルーズ船について、船籍港を東京港とし、東京国際クルーズターミナルを主要な発着拠点にすることで合意したと明らかにしました。

 あいさつに立ったオリエンタルランドの髙野由美子代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)は「大都市圏にあり各地からのアクセスに優れたこの港から、私たちのクルーズ船が出港できることを心より嬉しく思う」とコメント。東京国際クルーズターミナルを視察し、「広々としたターミナルビルは開放感があり、ここがゲストの歓声でいっぱいになるかと思うと胸が高まった」と期待感を示しました。

 東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは今年7月、クルーズ事業への新規参入を発表しました。新造船の建造を担うのはドイツの造船所マイヤー・ベルフト(Meyer Werft)で、2022年に就航した米ディズニー・クルーズライン初のLNG(液化天然ガス)燃料クルーズ船「ディズニー・ウィッシュ(Disney Wish)」(14万4256総トン)がベースとなります。

 その新造船の客室数は1250室にのぼり、乗客定員4000人。乗組員数も1500人となります。日本での就航は2028年度の就航を予定しており、投資額は船の建造費を中心に約3300億円となっています。

 同船の規模は、日本船籍で最大のクルーズ船となることが決定的です。他船と比較すると、日本郵船グループの郵船クルーズが2025年夏に就航を予定するLNG燃料クルーズ船「飛鳥III」は5万2200総トン、乗客定員約740人、商船三井グループの商船三井クルーズが2隻の整備を計画している新造クルーズ船も3万5000総トン級、乗客定員約600人であり、これらを遥かに上回ります。

 就航する航路は首都圏を発着する2~4泊程度のショートクルーズがメイン。となると、これだけの巨大な船を受け入れられる港の条件はかなりシビアです。

毎回「4000人」を運ぶ・食べさせる・楽しませるために

 ディズニークルーズの拠点となる港には14万総トン級のクルーズ船が頻繁に出入りするため、接岸が可能な岸壁はもちろんのこと、短期間で入れ替わる4000人もの乗客を受け入れられるターミナル設備と、大量に消費される食料などの搬入、そして船員の交代など高頻度の運航を支えるバックアップ体制が必要とされています。

 また、乗船客などがすぐに移動できるよう主要駅や空港へのアクセスに加え、乗客を運ぶバス、タクシーの手配についても考慮に入れなくてはいけません。

 こうした条件を考えると、ディズニーの新造船が入港できるのは東京港の東京国際クルーズターミナルか、横浜港の大黒ふ頭客船ターミナルだけでしたが、軍配が上がったのは東京港の方となりました。

 東京国際クルーズターミナルのバースはクルーズ船がメインですが、大黒ふ頭客船ターミナルが置かれているバースには大型クルーズ船だけでなく輸出向けの自動車などを積載する外航自動車船も入るためスケジュール調整が難しく、ショートクルーズ中心のディズニークルーズとは相性が悪かった可能性があります。

 また、大黒ふ頭周辺は物流施設で占められ交通手段も限られていることから、今後のアピールを考えると都心に近く、乗船客の見送りや船を見学する人も訪れやすいエリアが望まれたとみられます。

 小池百合子東京都知事は会見で次のように話しました。

「乗客の定員が4000人、14万総トン級の大規模なクルーズ船が東京港を主な発着地にする。クルーズ観光が都民にとってより身近になることで、臨海副都心地域のさらなる賑わいや経済効果も期待できる。これから乗船されるお客様やクルーズ船を見学される方、船員の皆様など多くの利用者にとって魅力的で、使いやすいターミナル作りを進めていく」

 東京国際クルーズターミナルは東京オリンピック開催をきっかけに整備された施設で、長さ430m、水深11.5mの岸壁を持っています。レインボーブリッジの“外側”に位置し、橋の高さ制限を受けないため世界最大級のクルーズ船も受け入れられるようになっており、2024年には同港に寄港したクルーズ船としては一番の大きさとなる乗客定員5655人の「MSCベリッシマ」(17万1598総トン)が入港しました。

 また、イタリア海軍の練習帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ」の寄港時はターミナルビルで大規模なイベントも開かれています。お台場エリアからは東京都心や羽田空港、東京ディズニーリゾートへのアクセスも便利なため、ディズニーのクルーズ船によるさまざまな需要が期待できるでしょう。

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