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欧州で初の運用国決定!「南米生まれの軽攻撃機」NATO仕様にカスタムされ納入へ

乗りものニュース / 2024年12月19日 6時42分

ブラジル軍が運用しているA-29「スーパーツカノ」(画像:エンブラエル)。

A-29のNATO仕様機体であるA-29Nを購入。

「COIN機」とも呼ばれる軽攻撃機

 ポルトガル国防省は2024年12月17日、軽攻撃機A-29N「スーパーツカノ」を12機取得する契約をエンブラエルと結んだと発表しました。

 軽攻撃機A-29N「スーパーツカノ」は、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエルが製造する、ターボプロップエンジン搭載の軽攻撃機であるA-29「スーパーツカノ」を、北大西洋条約機構(NATO)向きに設計したタイプとなります。

 エンブラエルは2023年4月にNATO加盟国向け機体として、A-29Nを発表しました。NATOの運用要件を満たすよう、新たなデータリンク装置や操縦システムなどの機器を備え、能力向上を図っているのが特徴です。また、訓練デバイスについても、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)などの最新技術を導入し、世界で最も優れたレベルの教育訓練が行えるよう改良されています。

 これまでエンブラエルは、NATO加盟国のなかでも特にポルトガルに向けて同機のアピールを行っていましたが、実際に購入契約が成立したのは今回が初となります。なお、ポルトガルは欧州で最初の購入国となります。

 ポルトガルが購入予定の機体には、NATO標準の装備のほか、未公開ではありますが、同国国防軍の要望を満たす追加の機能も備えられているとのことです。

「スーパーツカノ」は、主に麻薬密輸組織やゲリラが操縦する飛行機および船の監視に用いるために開発された軽攻撃機で、「COIN機」とも呼ばれます。速度はジェット機ほどは確保できませんが、地上攻撃、空中偵察・迎撃、反乱鎮圧など幅広い任務に対応できる能力を有しつつも、メンテナンスも最小限で済みます。

 そのため、速度ではジェット機に劣るものの、ヘリコプターにはできない航空目標にも対処可能なコストパフォーマンスの高い機体として、主に南米国家で使用されています。

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