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「林の中で下ろされそう」 寝過ごすとガチでヤバそうな行先Sランク!? 「中央林間」は酔っ払いの“流刑地”なのか

乗りものニュース / 2024年12月23日 18時12分

東急田園都市線の終点は中央林間駅(乗りものニュース編集部撮影)。

終電で寝過ごし“流れ着いて”しまった駅のうち、宿泊施設やタクシーもなく絶望する駅はどこか――忘年会シーズンの12月、SNSで話題となっています。そのうちのひとつに挙げられたのが東急田園都市線の中央林間駅。どのような駅でしょうか。

中央林間はどんなところ?

 忘年会シーズン。うっかり終電で寝過ごしてしまい、目覚めた終点で途方に暮れる――そのような首都圏の鉄道の“終着駅”が、SNSで話題となっています。特に一夜を明かすホテルなどの施設がなかったり、タクシーも捕まらなかったりする場所は、「流刑地」などとも。
 
 そのような例に挙げられた中に、神奈川県大和市の中央林間駅がありました。

 同駅は東急田園都市線の終点で、直通運転する地下鉄半蔵門線と東武線の利用者からも行先として広く認知されています。ちなみに東武線側の終点のひとつ南栗橋駅(埼玉県久喜市)とは約100km離れています。

「林間」という字面も相まって、「林の真ん中で降ろされるのではないか」といったコメントも見られました。実際、中央林間駅は寝過ごしてやって来てしまうと絶望することになるのでしょうか。

 田園都市線でこそ終点ですが、中央林間駅は小田急江ノ島線も通っています。両路線は丁字で交差し、田園都市線は地下です。特に東急側は駅直上に商業施設があり、さらにペデストリアンデッキで道路を挟んだ反対側の商業施設ともつながっています。

 もっとも、先に開通したのは江ノ島線であり1929(昭和4)年のこと。周辺には商店街が広がっており、複数の店舗などが入居する商業施設がある東急側とは違い、主に個人商店がひしめきます。田園都市線が開通したのは1984(昭和59)年のことですが、以降、新宿や渋谷へ乗り換えなしで行けるという利便性から、周辺ではマンションが次々と建設されていきました。

「林間」って何よ? 開業時は駅名もちょっと違った

 中央林間は決して林の中に駅があるわけでなく、むしろ市街地にある中心駅です。寝過ごしてたどり着いた場合、宿泊施設こそありませんが、カラオケ店のほか居酒屋やバーもあり、始発まで過ごす場所はいくつかあります。なお中央口(東急)を出ると、目の前にはタクシー乗り場があります。

 田園都市線の終電は、中央林間0時50分着です。すると、0時55分発の江ノ島線の上り終電に乗り継ぐことができ、相模大野駅(神奈川県相模原市)までは行くことが可能です。中央林間駅周辺よりも街の規模が大きく、滞在の選択肢は広がります。

 また、下り電車はすでに終了しているものの、ひと駅1.3km歩けば隣は南林間駅です。こちらは駅前にホテルが2軒あります。

 イメージが先行しそうな中央林間駅ですが、この「林間」とは、小田急の初代社長が打ち出した林間都市構想に基づくものです。260万平方メートルに及ぶ広大な土地に、住宅やスポーツ施設、学校などを設けるというものでした。渋沢栄一の田園都市構想に触発されたようです。それは開業時の駅名「中央林間都市」にも見て取れます。

 しかし新宿まで遠すぎたことや、世界恐慌による不景気のあおりも受け、分譲した住宅が思うように売れず計画は頓挫。1941(昭和16)年、駅名も現行の「中央林間」へ改められました。

 以降は江ノ島線の途中駅として歩んでいきますが、構想から約60年後に田園都市線が延伸してくると、いよいよ始発駅のベッドタウンとして発展し現在に至ります。

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