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たまにいる「ブレーキぱたぱたカー」一体どんな心理? 「近寄らないようにしましょう」交通心理士がズバリ解説

乗りものニュース / 2024年12月29日 16時12分

「ブレーキパタパタ」のクルマの後ろの運転は、非常に苦痛(筆者提供)。

たまに出会う「ブレーキを小刻みに踏むクルマ」。あまりに回数が多いと後続車は非常に運転しづらいもので、後ろについて進まざるを得ない場面では苦痛です。なぜそこまで“パタパタ”とするのか、交通心理士の先生に聞いてみました。

2~3回で十分だろ? なんで「50回以上」もパタパタするの?

 高速道路・一般道路とも、たまに出会う「ブレーキを小刻みに踏むクルマ」。無意味な場面でパタパタとブレーキを踏むことで、リアのブレーキランプが小刻みに点灯。その後ろは非常に運転しにくいもので、筆者はそういうクルマの後ろについてしまったときは、すぐに別の車線に移動するようにしています。

 ただし、これは車線を移動できた場合のこと。変更ができない場合や、渋滞中だと前を走る「ブレーキパタパタ」の後ろをやむを得ず走行し続けなくてはならず、これが非常に苦痛で、不思議なことに睡魔を呼ぶこともあります。

 また、性格が良いとは言えない筆者、前のクルマがあまりにブレーキを踏み続けるため、頭の中でその回数をカウントすることもあります。

 一定距離を、筆者が2~3回ほどしかブレーキを踏まないところを、前方のクルマは50回以上もパタパタ踏み続けることもあり「この人どうなってんの!」と正直イラッとしたりします。こうなると、いわゆる“ポンピングブレーキ”の実践とも思えません。

 自分の主張ばかり言うのではなく「ブレーキパタパタ」の運転者がどんな気持ちで、このような運転をしているかについても一定の理解をすべきです。そこで、交通心理士で近畿大学物理工学部准教授の島崎 敢先生に、「ブレーキパタパタ」の心理について聞きました。

「アクセル=加速」「ブレーキ=減速」の二分法的考えからくるもの?

「ブレーキパタパタ」の運転者に対し、島崎先生はまず「あくまでも1つの解釈」としながらも「運転の基本的なメカニズムに対する理解不足からくるかもしれない」と言います。

「通常、高速道路で危険を感じたドライバーは、アクセルを緩めることでエンジンブレーキを利用し、緩やかな減速を行います。しかし、パタパタとブレーキを頻繁に踏むドライバーの場合、『アクセルは加速』『ブレーキは減速』という単純な二分法的な理解をしている可能性があります」

 つまり、速度調整の手段としてエンジンブレーキの存在や機能を十分に理解していないため、「わずかな減速が必要な場面でも即座にブレーキペダルを踏んでしまうのでしょう」(島崎先生)ということです。

そもそも減速する必要がない場面でも?

 さらに島崎先生は「ブレーキを何度も踏んだところで、効果的な減速に至っていないのでは」とも。

「このようなドライバーの多くは、ブレーキランプは点灯するものの大きな減速は伴っていないことが多いので、実際に減速する必要があるのではなく、リスクを感じたから『とりあえずブレーキを踏んでおく』という対処行動をとっている可能性があります」(島崎先生)

 つまり、基本的な運転メカニズムの無理解と、周囲のクルマに与える影響への無理解が重なり、結果的に「ブレーキパタパタ」に至っているように推測できます。

 違反にあたる行為ではないものの「軽めの迷惑運転」のようにも感じますが、最後に島崎先生はこうも話してくれました。

「運転は社会的な活動であり、他者との関わりが不可欠です。しかし、あまり他者の行動に目くじらを立てるよりも、『他人を変えることは難しいが、自分は変えられる』という視点を持つほうが重要かもしれません。特に、意図の分からない運転をするクルマに遭遇した場合は、近寄らないのが賢明です」(島崎先生)

 他人のふり見て我がふり直せ……なるほど、おっしゃる通りです。「嫌だなぁ、こういう運転をするクルマ」という場面では、やはりいったんは見過ごして、自分に振り返って他車にそんな風に思われないよう、安全で優しく紳士的な運転を心がけるべきだと思いました。

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