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なぜ「ガソリン」って持ち運び厳しいんですか? 発電機で必要なのに販売拒否されました 灯油と同じ石油ですよね?

乗りものニュース / 2025年1月4日 7時42分

セルフガソリンスタンドのノズルでは多くの場合赤がレギュラーガソリン(画像:写真AC)。

ガソリンスタンドで車両以外に給油する場合、その持ち運びの量や給油の目的を細かく聞かれます。もちろん、それだけ厳しくする理由があります。

ガソリン携行に関する細かいルール

 クルマやバイクなどに留まらず、農機具や発電機などもガソリンを使います。ただガソリンの持ち運びに関しては厳しく制限されており、自身で乗ってきたクルマ以外に給油するのを断られるケースも多くなっています。

 まず、ガソリンを発電機などに給油するために、携行容器を持っていく場合は、安全性能基準をクリアしている携行缶を使わなければいけません。そしてセルフサービスのガソリンスタンドであっても自ら給油することはできず、スタンドのスタッフが行います、さらに場合によっては、携行缶を持って行っても拒否される可能性もあります。

 携行缶を持って行っても給油が許可されないケースがあるのは、2020年2月から改正消防法が施行された影響です。この改正法で、免許証などによる購入者の本人確認のほか使用目的の確認や、それらの情報を含めた販売記録の作成が義務付けられました。

 きっかけとなったのは2019年に京都で発生した放火事件です。この事件では大量にポリタンクに入ったガソリンを悪用したため、ガソリンが爆発的に燃え、多くの死傷者が発生しました。

 そのため、現在では性能試験に合格した22リットル以下の密閉できる金属性容器か、10リットル以下のプラスチック容器にしか、ガソリンの給油はできません。石油元売り会社のなかには容器で購入する場合は、事前に店に問い合わせることを推奨している会社もあります。

 そもそも、2020年2月の法改正以前から、ガソリンに関しては、ほかの燃料に比べるとかなり、持ち運びが厳しく制限されていました。なぜこのようにガソリンのみが厳しいかというと、軽油や灯油などは比べ物にならないほど危険だからです。

ちょっとした静電気でも引火の可能性

 石油元売り会社の関係者によると、レギュラーガソリンやハイオクガソリンはマイナス40度という低温でも気化してしまう、非常に揮発性の高い可燃物のベーパー(蒸気)が発生します。そしてその蒸気は、空気よりも約3~4倍重く、広く拡散し、なんらかの拍子に発生したわずかな火花でも引火してしまう危険があるのです。

 しかも少量であっても強く燃え上がります。大量の場合は爆発炎上し、さらに被害を広範囲に広げる危険性もあり、携行などが厳しく制限されているのです。

 一方、軽油の引火点は60~100度とされており、布や紙にしみ込んだ状態などの例外をのぞけばガソリンに比べると液体そのものは、可燃性の蒸気を発生しにくく、かなり燃えにくいと言われています。

 実は、セルフサービスのガソリンスタンドでガソリン計量器に「静電気除去シート」として、丸く黒いパッドが取り付けられているのも、ガソリンへの引火事故を避けるためです。

 特に乾燥しやすい冬場は、静電気が発生しやすくなっており、乾燥した指先などで金属製品に触れると、パチッっと火花が出ることも。べーパーに引火すれば大事故につながる可能性があるため、あのシートで静電気を除去する必要があるのです。

 ちなみに、ガソリンスタンドの店員は、帯電防止に優れた衣服や靴を着用しており、業務中にも、水をまいたり金属製品に触れたりして日常の動作で静電気の発生を抑制しているため、除去シートに触らずに給油を行うことができます。

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