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「難攻不落の峠」に土木が勝利 静岡‐長野の最難関「青崩峠トンネル」ついに完成 三遠南信道

乗りものニュース / 2024年12月25日 7時42分

青崩峠トンネル(仮称)の静岡県側坑口(画像:飯田国道事務所)。

三遠南信道「青崩峠トンネル」(仮称)の本坑完成に伴い、2025年3月に現地で完成式が開かれます。

3月に完成式

 国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所は2024年12月24日、長野・静岡の県境を貫く三遠南信道「青崩峠トンネル」(仮称)の本坑が完成したことから、2025年3月に現地で完成式を行うと発表しました。

 三遠南信道は、長野県飯田市から静岡県浜松市に至る延長約100kmの高規格幹線道路です。中央道の飯田山本ICから分かれて南信州・北遠州・奥三河地域を通り、新東名高速の浜松いなさJCTまでを結びます。現在は矢筈トンネルや三遠トンネルなど4区間が開通しています。

 青崩峠トンネルは、未開通区間のうち長野・静岡の県境に位置します。延長は4998mです。

 国内最大の断層である中央構造線がすぐ近くを走っていることから地盤が非常に脆く、最難関のトンネル工事とされています。東側を通る当初のルートを一度断念したことから「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」と表現されたこともありました。

 地中を平行して走る中央構造線との間隔はわずか500mであり、工事は、断層運動の影響を受けた複雑な地質を貫くことを余儀なくされます。そのため、トンネルは一際「高強度」で造られているのが特徴です。

 トンネルは2019年4月に掘削を開始し、4年後の2023年5月に貫通しました。その後、覆工などが進められ、今後も電気・通信設備などの工事が行われます。幅員9.5m、車道2車線、設計速度60km/hで整備される計画です。

 時期は未定ですが、トンネルが開通すると、現在、峠で途切れている国道152号の代替路となり、三遠南信地域の交流促進と連携強化、災害に強い道路機能の確保、救急医療活動の支援などに寄与することが期待されています。

 完成式は、長野県側施工の五洋建設と、静岡県側施工の安藤・間が主催し、3月2日(日)午後、トンネル内で開催される予定です。

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