「関越‐東名」がたった12分! 工事難航の「外環道」どこまで進んだ? 一部ICは大きく遅れ?
乗りものニュース / 2024年12月31日 12時12分
東名高速と関越道を結ぶ外環道は、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
地中深くに直径16mのトンネル
東名高速と関越道を結ぶ外環道は、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
外環道(東京外かく環状道路)は、東京の都心から約15kmの圏域をぐるりと結ぶ延長約85kmの道路です。放射状に延びる高速道路と相互に連絡し、都心に用のないクルマを迂回させます。
これまでに東京都練馬区の大泉JCTから、千葉県市川市の高谷JCTまでの約50kmが開通しており、首都高の各路線をはじめ、関越道・東北道・常磐道・京葉道路・東関東道とつながっています。
大泉JCT以南の「関越~東名」区間16kmは、建設工事が続いています。基本的に地下40mより深い「大深度地下」に、片道3車線・直径約15.8mの本線トンネルを2本掘ります。途中には、目白通りIC、青梅街道IC、東八道路IC、中央JCT、東名JCTが設置される計画です。なお、IC・JCTはいずれも仮称で、名前は接続する道路名が採用されています。
本線トンネルは、シールドマシン4基で南北両方から掘り進めていましたが、2020年10月、調布市内で陥没事故が発生し掘進がストップ。このうち北側の2基は2022年2月に掘進を再開し、2024年11月末時点で3.6kmと3.3km地点まで、地上だと西武新宿線の上石神井駅付近まで掘り進めています。
しかし一方で、4.4kmと3.5km地点まで掘り進めていた南側の2基は、調布市内の陥没箇所の下で停止したままです。現場では、地盤補修や補償などの対応に優先的に取り組んでいます。
このほか中央JCTで2基、東名JCTで2基のシールドマシンが、それぞれ本線トンネルと中央道や東名をつなぐランプ(車路)のトンネルを掘り進んでいます。
このランプ(車路)を造るIC・JCTは、地上と出入りするため用地を取得する必要があります。2024年11月末時点で、取得率は面積・件数ベース両方とも93%です。ただ、内訳を見ると、軒並み97~99%の中で、青梅街道ICだけが面積48%・件数60%と大きく落ち込んでいます。
また、埋蔵文化財調査も、ほかは98~100%とほぼ完了しているのに対し、青梅街道IC付近は0%でまったく手付かずの状況です。
先に関越・中央・東名の接続を優先して開通させ、青梅街道ICはあとから遅れて開設されることになるかもしれません。
並行する環八通りは終日混雑
関越・中央・東名を実質的に南北につなぐ幹線道路の環八通り(都道311号)は、交通量が終日にわたり非常に多く、慢性的に渋滞しています。
付近では環八の抜け道になっている生活道路もあり、交通事故の件数は、都内の市区町村道と比較して8~13倍に上ります。
また、環八は路線バスの運行ルートにもなっており、特にJR中央線の荻窪駅と京王線の芦花公園駅や千歳烏山駅方面を結ぶ関東バスの「荻54」「荻58」系統は、環八渋滞の影響を多く受けています。
関東地方整備局によると、関越→東名の所要時間は、現在の環八経由で66分もかかりますが、外環道ができると12分まで短縮される見込みです。
開通により、沿線の救急搬送の円滑化はもちろん、生活道路の安全性向上や路線バスの定時性向上などの効果が期待されています。
広域では関越・中央・東名がつながることで、物流の円滑化や、災害時などの代替路確保なども見込めます。
今後、建設工事は、JCTやICといった事業用地内のトンネル掘進を慎重に進めていくとともに、事業用地外は、掘進作業の準備が整った時点やシールドマシンの到達前・通過前後など、工事の進行にあわせてトンネル地上部の周辺住民に告知していく方針です。
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