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本数は極限まで少ない!? 神奈中バスの名物「レア路線」相次ぎ廃止に 「そんなルートあったの!?」ばかり

乗りものニュース / 2025年1月13日 9時42分

2024年12月中の運行終了を予定していた神奈中バスの「厚94」(2024年12月、柴田東吾撮影)。

神奈中バスでは、東京都内と神奈川県内の路線の一部で休止や廃止の意向を表明しています。そのほとんどが“レア路線”ですが、どれだけレアなのでしょうか。

運行終了の対象は8路線

 2024年5月末、神奈川中央交通(神奈中バス)は神奈川県生活交通確保対策地域協議会に対して、次の8つの路線の退出(休止・廃止)の意向を申し出ています。これらの路線は運行回数が少なく、1日1回だけ運行している路線が大半を占めています。

平54 平塚駅北口~小田急通り~本厚木駅南口
厚94 厚木バスセンター・本厚木駅~荻野運動公園~宮の里
町73 青葉台駅→成瀬コミュニティセンター→町田バスセンター
町82 町田バスセンター・町田ターミナル~町谷原~つきみ野駅
市02 長津田駅~恩田住宅~市が尾駅
桜84 相模原駅北口~南大沢駅~聖蹟桜ヶ丘駅
南01 南町田グランベリーパーク~東名横浜町田インター~若葉台中央
淵24 淵野辺駅~鶴川駅~登戸

●平54 平塚駅北口~小田急通り~本厚木駅南口

「平54」は2024年12月14日(土)限りで運行を終え、最終日には臨時便が運行されました。JR東海道線の平塚駅と小田急小田原線の本厚木駅とを結ぶ路線は数多くありますが、「平54」は本厚木駅付近で迂回して小田急線の線路と2回交差するルートが特徴でした。

●厚94 厚木バスセンター・本厚木駅~荻野運動公園~宮の里

「厚94」は、本厚木駅から北部の郊外にある住宅地、宮の里までを結ぶ路線の1つです。体育館、競技場、テニスコートやプールなどを備えた萩野運動公園を経由するものの、2024年時点では土曜日の朝に本厚木駅→宮の里間、夕方に宮の里→厚木バスセンター間が1回ずつ運行されるだけです。運行距離は本厚木駅発が9.1km、厚木バスセンター行きが8.8kmあり、片道30分ほどかけて走っています。

町田を拠点に都県をまたぐ系統も

「厚94」が単独で走る区間は宮の里方のわずかな区間で、路線の大半はほかの路線と重複しています。重複する区間は利用が多く、筆者(柴田東吾:鉄道趣味ライター)が厚木バスセンター行きを利用した際は、宮の里を出た時点ではガラガラだったものの、本厚木駅に着く頃には満員になっていました。

 この路線の終了時期は当初、2024年12月末とされていましたが、2025年にずれ込んでいます。運行終了後も、厚木バスセンター~荻野運動公園間の直行便は催事系統として存続するようです。

●町73 青葉台駅→成瀬コミュニティセンター→町田バスセンター

「町73」は、東急田園都市線の青葉台駅から田奈駅を経由して、小田急線とJR横浜線が交差する町田駅まで至る路線です。2024年時点では平日朝に1回だけ町田バスセンター行きが運行され、9.8kmの距離を30分ほどかけて走っています。

 全区間でほかの路線と重複していて、中でも「町77」(町田バスセンター・町田ターミナル~長津田駅北口)とは経路の大半が同じです。「町73」の運行終了の予定時期は2025年3月とされ、「町73」の運行が終了すると、田奈駅で田園都市線と交差する神奈中バスの路線はなくなります。

●町82 町田バスセンター・町田ターミナル~町谷原~つきみ野駅

「町82」は、町田駅と田園都市線のつきみ野駅とを結ぶ路線で、2024年時点では毎日2往復が運行され、7.1km(町田ターミナル発)または6.1km(町田バスセンター行き)を25分ほどで結んでいます。「町82」が単独となるのは町谷原~つきみ野駅間だけで、大型のバスを使用しながら狭隘な道を走る箇所もあります。一方で、町田方はほかの路線と重複しているうえ利用者の多い区間です。この路線は2025年3月28日(金)限りで廃止と、関東運輸局に届け出されています。

●市02 長津田駅~恩田住宅~市が尾駅

「市02」は、東急田園都市線の長津田駅と市が尾駅とを結ぶ路線で、路線の大半で幹線道路の国道246号を走ります。土曜日の早朝に1往復だけ運行され、5.2kmの距離を15分ほどで走りますが、2025年1月11日(土)限りで運行終了と発表されています。

ファンにはよく知られた長~い路線

●桜84 相模原駅北口~南大沢駅~聖蹟桜ヶ丘駅

 今回の廃止路線で唯一、京王エリアの多摩ニュータウン方面へ向かうのが「桜84」です。JR横浜線の相模原駅から京王相模原線の南大沢駅や多摩モノレールの大塚・帝京大学駅を経由して、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅まで結びます。2024年時点で、神奈中バスと京王バスの共同で運行され、合わせて6往復が設定されています。

 土休日は、京王バスが担当する便のうちの2往復半が南大沢駅~相模原駅間に短縮されて「南84」に変わりますが、こちらも運行を終える予定です。

「桜84」は歴史の長い路線で、16.7kmの距離を50分ほどかけて走っていますが、2025年3月28日(金)限りで廃止と、関東運輸局に届け出されています。

 なお、南大沢駅~聖蹟桜ヶ丘駅間は「桜80」として京王バスが運行していますが、こちらは「桜84」と合わせて毎時3~4本が運行され、利用者の多い路線として引き続き運行されます。

●南01 南町田グランベリーパーク~東名横浜町田インター~若葉台中央

「南01」は、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅と横浜若葉台団地を結ぶ路線で、2024年時点では休日の昼間に1往復だけ運行されています。5.2kmの距離を20分弱で結び、東名高速道路の横浜町田ICの脇を通ります。また、東京都と神奈川県をまたぐため、乗車する際は運転士に行先を申告して運賃の前払いを行う方式を採用しています。

 この路線は2025年3月30日(日)限りで運行休止と、関東運輸局に届け出されています。

●淵24 淵野辺駅~鶴川駅~登戸

 今回の廃止路線で最も長距離を走るのが「淵24」。JR横浜線の淵野辺駅から町田市を横断し、小田急線とJR南武線が交差する登戸までを結ぶ路線です。小田急線の鶴川~登戸間に沿う路線でもあり、土曜日の早朝に1往復が運行されています。20.5kmの距離を1時間かけて走ります。

 この路線は2025年3月29日(土)限りで廃止と、関東運輸局に届け出されています。

※ ※ ※

 今回運行を終了する路線は、俗に「免許維持路線」と呼ばれる路線が多く、「淵24」や「市02」などはその典型です。週末に1往復程度の運行が長らく維持されてきましたが、バスファンのあいだでは良く知られた路線が、数を減らすことになりそうです。

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