1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

実は現在進行形「カワサキの原チャリ」の魅力とは? 高排気量だけじゃない「小さなカワサキ」という“もう一つの世界”

乗りものニュース / 2025年1月18日 18時12分

カワサキのバイクと聞くと、高排気量の伝説のモデルが思い浮かぶが、実は125cc以下のモデルも数多く存在(玉田欽一撮影)。

高排気量バイクで知られるカワサキですが、125cc以下の低排気量モデルも意外と多くラインアップされています。そうした“ミニなカワサキ”を複数所有するオーナーに魅力を聞くと、いわゆるカワサキ像とは異なる世界観が見えてきました。

意外と多い「125cc以下のカワサキ」

「カワサキのバイク」と聞くと、Z1、Z2、Z1000、W1、GPZ、ZEPHYR、ZZR、Ninjaなど高排気量の名車ばかり。各モデルの強い個性と伝説、そしてどこか硬派なイメージから「カワサキは高排気量バイクメーカー」と思う人は多いかもしれません。

 実際、高排気量バイクモデルは今日も多く、確固たる人気を獲得しますが、しかし、実は過去、125cc以下の低排気量バイクも多く作ってきたメーカーでもありました。

 現行車種はZ125プロという124ccのみのラインナップですが、かつてはコヨーテ、KV75、AV50、AE50、KS-I/II、KSR-I/II、KDX125、KH90/125、エリミネーター125といったコアな人気を誇る低排気量バイクがありました。

 また、1960年代後半頃から主に米国や東南アジアへ向けた125cc以下の輸出向けモデルも多く作っており、一般的なカワサキのイメージとは少し異なる事実があります。

 ここでは、この辺の事情に詳しいカワサキの低排気量モデルを複数所有するオーナーの玉田欽一さんに話を聞きながら解説します。

カワサキブランド初のバイクは、なんとスクーターだった

 航空機用エンジンを作っていたカワサキ(当時は川崎航空機工業)が本格的に二輪事業へ乗り出したのは1953年のこと。以来、2ストローク、4ストローク双方のエンジン開発を行うことになりました。

 そして、同年にはカワサキブランドでの初めての量産バイク(スクーター)、川崎号を発売。今日の硬派なイメージのあるカワサキブランドの第一号バイクがスクーターだという意外な事実なのですが、その排気量は58.2ccで、2ストロークエンジンにペダル切り替え式の2段変速仕様でした。

 船舶、鉄道車両、飛行機の製造などでその名はよく知られていたカワサキですが、二輪分野では十分な販売ルートを持っていなかったこと、そしてすでにスクーターとして富士重工のラビット、三菱のシルバーピジョンなどが絶大な支持を得ていたこともあり、川崎号はわずか200台程度の販売で早くも生産終了に至ります。

 また、二輪分野におけるカワサキブランドは少々カオスな時代でもあり、大日本機械工業からバイクの製造販売を受け継いだメイハツ工業、中型~大型のバイクメーカー・メグロと業務提携や合併をし、さらには川崎グループ内での再編を経て、1969年に川崎重工業として再出発。W、Zなどの高排気量モデルのヒットに恵まれ、さらに後になって、二輪専業のカワサキモータースジャパンに発展することになりました。

輸出向けの台数はむしろ「低排気量モデルのほうが多いはず」

 カワサキ=硬派なバイクメーカーというイメージが形成される一方で、玉田さんはこうも語ります。

「この辺の経緯は僕もそう詳しくないですが、特に輸出向けではアメリカ市場を意識したZなどの1000ccクラスの高排気量のバイクが複数存在した一方、量産モデルでは低排気量の100ccクラスのバイクも多く作っていて、むしろ生産台数で言えば、100ccクラスのほうがはるかに多いはずです」

「どうしても『日本製オートバイ』というとホンダのイメージが強いですよね。ホンダと比べればカワサキの低排気量のバイクは確かに少ないはずです。逆に、カワサキは高排気量の名車が多いので、『カワサキ=昔から⾼排気量だけのメーカー』という誤解を⽣んでいるのかもしれませんが、そんなことはないですよ」(玉田さん)

 話を日本国内のモデルに戻します。

 玉田さんはカワサキの高排気量モデルを2台所有する一方、125cc以下のモデルも合計6台所有していると言います。しかし、どうしてそこまでカワサキの、しかも低排気量のバイクばかりを好むのでしょうか。

「最初は兄貴が乗っていたホンダのオフロード車を借りて乗っていたんですけど、やっぱり自分のバイクが欲しくなり、カワサキのGPZ400を買ったんです。そして、ヤマハのTZR250、ハーレーダビッドソンにも乗るようになりました。

 なので、当初は別に『カワサキじゃなくちゃ』っていうこだわりはなかったんですけど、たまたま出入りしていたショップが『古くからのカワサキ党』みたいなお店だったことと、自分で範囲を決めておかないと『なんでもかんでも乗りたくなっちゃう』と思って、カワサキに絞ったんですね。最初はそんな始まりでした。

 カワサキの低排気量のバイクばかり所有している理由は……なんでしょうね(笑)。ただ、原付はなんと言っても維持費が安いこと。車検が必要な重量車を複数台維持するのは経費もかなりかかりますが、小さいバイクはまず税金・保険が安くて済むし、置き場もさほど困らないし、シンプルな構造で整備もしやすい。それと何よりどのバイクも小さくてかわいい。そんな理由ですね」(玉田さん)

旧車パーツ入手は意外と「困っていない」

 現在、玉田さんが所有するカワサキの低排気量バイクはAV50、KV75、90 TR、KS-II、そしてKSR110×2台。いずれも旧車ばかりですが、パーツなどはどのように入手しているのでしょうか。

「車種によりますけど、今もメーカーから支給される部品もありますし、これまでにある程度の消耗部品などはストックしてきたので、現在はあまり困っていませんが、ネットオークションを常にチェックすることは必要かもしれません。

 また、ネットオークションでもさほど競うことなく落札できるのもカワサキの低排気量車の利点かも(笑)。

 ちなみに今持っているKS-IIというバイクもネットオークションで新車の状態で売り出されていたのを買いました。新車当時の販売価格より低い金額でしたが、ほぼ競わずに落札出来ましたよ」(玉田さん)

 玉田さん所有のカワサキのバイクの中でも、特に「日常のゲタとしては一番良い」というのがKSR110だそうで、これまで4台乗り継いだそうです。

「2サイクルのKSR-IIにも乗りました。国内最終型のKSR110プロにも一時乗りましたが、これはすぐに手放してしまいました。

 初期KSR110を乗り継いだせいか、リニューアルされた部分に違和感を感じてしまったからなのですが、KSR110プロはクラッチもセルも装備されていてKSR110の完成形だと思います」(玉田さん)

 これは特定モデルのバイクに乗り継いできた人にはよくわかる話です。最後に玉田さんは好みのバイクスタイルについてこんな話もしてくれました。

「僕は基本的に『周りが乗っていないバイクに乗りたい』という思いがあり、その点でカワサキの低排気量のバイクは自分の嗜好にピッタリ合っていると思います。

 大きいバイクの楽しさもよく知っていますけど、低排気量車も単純に気楽で楽しいですよ。

 また、これはカワサキに限らないことですが、バイクユーザーの多くがこれから高齢になっていくことを考えると、『ビンテージ原付』って特に支持を集める気がします。大きいバイクに乗れなくなっても小さいバイクに乗ったりいじったりするのは、かなり楽しいと思うので(玉田さん)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください