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外環道「関越ー東名」いまどうなってるの? トンネル工事“ヤマ場”に突入 しかし見えない開業時期

乗りものニュース / 2025年1月19日 8時12分

2024年10月末時点の大泉JCTの状況。各種ランプもだいぶできてきた(画像:国土交通省)。

全線が地下トンネルとなる外環道「関越ー東名」区間の工事で、各種トンネル掘削とともにもう一つのヤマ場となる“地中拡幅”工事が始まります。全体としてはどう進捗しているのでしょうか。開業時期はまだ、見えません。

本線シールドトンネル2本は停止、2本は掘進中。ゴールは「井の頭通り」

 ほぼ全線が地下40mより深い「大深度地下」を貫く外環道「関越ー東名」区間。2020年に調布市内で発生した陥没事故の影響で、本線トンネルを掘削するシールドマシンの一部は停止したままですが、それ以外の工事は着実に進んでいます。

 そして2025年1月より、トンネル掘削とならぶもう一つの技術的なヤマ場「地中拡幅」工事が一部で始まります。全体としてはいま、どのような状況なのでしょうか。

 地中拡幅は簡単にいうと、本線トンネルに各種ランプのトンネルをつなげる工事です。並行する2つのトンネルをひとつの空間に収めるため、2本のトンネルの間を地中で拡げるというものです。

 今回始まるのは、終点となる東名高速と接続する「東名JCT」(仮称、以下同)のランプをつなげる地中拡幅。それをつなげるのは、東名JCTから北へ進んでいた途中で陥没事故を受けて停止した2本のシールドトンネルです。シールドマシン1機は東名JCTから約4.4km、もう1機は約3.5kmの時点で今も停止していますが、内部空間はかなりできています。

 一方、関越道側の大泉JCTから南へ掘り進んでいたシールドマシン2機は、陥没事故を受けて一時停止したものの、2024年末時点で大泉JCTからそれぞれ約3.7km、約3.4kmを掘進しており、ちょうど練馬区と杉並区の境目「青梅街道IC」付近にいます。

 この2機のゴール地点は大泉JCTから約7km先、武蔵野市の井の頭通り付近の地下です。ここで東名側からのシールドトンネルと地中接合する計画となっています。

 各種JCT・ICの地上から地下本線へ向けて掘り進むランプトンネルのシールドマシンも、一部はすでに掘進を完了しています。今回、地中拡幅が始まる東名JCT「Hランプ」は2023年1月に掘進を開始し、2年の歳月を経てまもなく掘進を完了しようとしています。

ランプトンネルも絶賛建設中!――とも言えない!?

 このほか中央道と接続する中央JCTの北側「Aランプ・Hランプ」、大泉JCTの「Fランプ」が掘進を完了。東名JCT「Aランプ」と中央JCT南側の「Bランプ・Fランプ」のシールドはそれぞれ2024年から掘進中です。中央道JCTの北側2ランプは、接続すべき本線のシールドトンネルがないまま、その到達をしばらく待つことになります。

 並行して各JCT地上部の各種ランプの建設も進められていますが、メインとなる地下区間については、陥没事故現場付近の地盤補強工事が進み、本線トンネル2本の掘進が再開すれば、一定のメドがつく……とも言えない状況があります。

 というのも、用地買収が半分も進んでおらず、着工可能な面積がゼロというところが存在するからです。それが前出した「青梅街道IC」付近です。地上と本線との間に2本のランプシールドを構築します。

 この関越-東名間は途中ICが2つあり、その一つ「東八道路IC」は中央JCTとセットで構築されています。対して、もう一つの「青梅街道IC」は、大泉JCTと中央JCTのあいだに唯一単独で整備されるICです。周辺地域だけでなく、北多摩の大幹線である青梅街道を通じて広い範囲の高速道路アクセス向上に寄与するでしょう。

 しかし、用地取得率は2024年3月末時点で47%(買収・区分地上件含む)と、進捗は芳しくありません。現地ではいまも建設反対の幟が翻っています。

 大幅に遅れている青梅街道ICですが、国土交通省の担当者は「あくまで本線と同時供用を目指す」としています。用地確保後、2本のランプシールドを構築し、さらに2か所の地中拡幅を行って本線と接続するため、かなり時間がかかりそうです。この工事が全体の工期に大きく影響する可能性があります。

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