英軍の「ランドローバー」ついに一掃へ！伝統と栄光を“75年以上”支える「後継はイタ車ベース!?」

「ランドローバー・ディフェンダー」の軍用モデル「ランドローバー・ウルフ」（画像：イギリス陸軍）。

陸軍で長い間運用されてきたランドローバーを2030年までに後継車両に置き換える。

より汎用性の高い車両に置き換えが決定！

　イギリス国防省は2025年1月10日、陸軍で長い間運用してきた「ランドローバー」を2030年までに全てLMV（Light Multirole Vehicle、多目的軽装輪装甲車）に置き換えるとする方針を発表しました。

　ランドローバーは、1948年から納入が開始された4WD車です。第二次世界大戦中に運用されたアメリカ軍の4WD車であるウィリス・ジープの影響を受けた車両で、軍用としても陸軍や海兵隊に配備されていました。

　同車のモデルチェンジと足並みをそろえて軍用車両の方も更新され続けており、2025年現在は「ランドローバー・ディフェンダー」の軍用である「ランドローバー・ウルフ」が運用されています。

　コソボ、アフガニスタン、イラクや、アフリカ各国など、イギリス軍が派遣される場所では必ず目撃される車両で、約75年以上もイギリス軍の多用途車両として愛用されてきました。

　しかし、今回の決定では、オーストリア製の6輪車である「ピンツガウアー」とともに、LMVに置き換える方針が示されました。

　現在イギリス軍は「パンサーCLV」の配備を進めており、すでに部隊でも運用しています。「パンサーCLV」は、イタリアのイヴェコが開発した「イヴェコLMV」をBAEシステムズが独自改造した車両です。

　取り外し可能なモジュラー装甲パックを装備しているため、ミッション要件に合わせて車両の装甲などを調整できる汎用性の高さが特徴。装輪車両であるランドローバーやピンツガウアーのほかにも、FV432やCVR（T）など履帯を持つ装甲戦闘車両も同車両に置き換えられる予定で、装備の統一化やコスト削減などが図られます。