東北の一大勢力にメス!? ローカル線でおなじみ「白いキハ」100系・110系 勢力図塗り替わるか ていうか「何が違うんですか!?」
乗りものニュース / 2025年1月26日 7時12分
JR東日本は2025年下期から、高崎・盛岡エリアへ新型車両としてHB-E220系を投入すると発表しました。同社のローカル線ではキハ100系やキハ110系が使われていますが、いよいよ置き換えが始まりそうです。
年度中にも置き換えが始まる
JR東日本は2025年度下期、新型ハイブリッド気動車のHB-E220系を、高崎エリアの八高線や盛岡エリアの釜石線などに投入する予定です。これにより、八高線や釜石線などで使用されているキハ110系気動車が置き換えられるものと予想されます。
HB-E220系では、ディーゼルハイブリッドシステムを採用する予定です。このシステムは、ディーゼルエンジンによって発電された電力と、蓄電池に充電した電力を組み合わせて走行する仕組みです。また、ブレーキの際にエネルギーを回収して蓄電池に充電することで、環境負荷の少ない車両を目指しています。
一方で現行のキハ100系気動車やキハ110系はディーゼルエンジンを動力として走行し、ローカル線で使用される車両では一般的な構造です。JR東日本では東北地方を中心に、ローカル線向けの車両として1990(平成2)年に運行開始しました。2025年1月現在で、北は青森県から南は埼玉県まで、各地の路線で見ることができます。
キハ100系・キハ110系では、軽い車体に高出力のディーゼルエンジンを搭載したことで、加速性能や登坂性能が格段に向上してスピードアップに貢献したほか、投入当時は車両の冷房化が完了していない路線もあったため、冷房化の促進にも寄与しています。
ところでキハ100系とキハ110系は先頭部のデザインこそ同じで、一見同じに見える車両ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
キハ100系とキハ110系の違い
最大の違いは車両の長さで、キハ100系は全長16.5m(増備車は17m)と一回り小ぶりです。一方のキハ110系は、JRの車両で一般的な全長20m(増備車は20.5m)の車両です。
両車を比べると、車体の短いキハ100系の方が、窓の数が少ないことに気付きます。また、運転台を備えた乗務員室を片側に寄せたため、乗務員室の扉は運転台側にしかありません。一方のキハ110系は前頭部の全室が乗務員室となっているので、両サイドに乗務員室扉を備えています。
キハ100系は大湊線、北上線、釜石線、大船渡線などで、キハ110系は花輪線、山田線、釜石線、気仙沼線、米坂線、只見線、小海線、八高線などで使用されています。地域で表すと、キハ100系が盛岡エリアを中心に使用されており、キハ110系が盛岡、仙台、山形、新潟、郡山、長野の各エリアと首都圏で使用されています。釜石線を除くと、キハ100系とキハ110系で走る路線が異なっていますが、2025年からは大船渡線でもキハ100系に代わってキハ110系が使用される予定です。
普通列車のほか快速にも使用されていますが、かつては急行「陸中」という釜石線の急行列車があり、急行用として回転リクライニングシートを装備した車両もつくられました。現在は、釜石線の快速「はまゆり」(盛岡~釜石)で使用されています。
短命に終わった特急用キハ110系
さらに、特急「秋田リレー」用として回転リクライニングシートを装備した特急用車両も登場しました。この車両は、1996(平成8)年から秋田新幹線が開業する直前の1997(平成9)年まで、1年間だけ使用されています。
「秋田リレー」は北上~秋田間を北上線経由で運行されましたが、秋田新幹線の開業後は一般的なキハ110系と同等の車両に改造され、大半が飯山線に転用されました。ちなみに飯山線の観光列車「おいこっと」も、「秋田リレー」で使用していた車両の一部です。
山形にもレア車両が!
このほか、キハ100系は車内にボックス席のクロスシートを備えた車両が多数派ですが、ロングシートの車両も製造されました。これがキハ101形で、客室は通勤電車のように長手方向に座席が配置されています。
外観はキハ100形と同じですが、車体の色は緑色ではなく青色。キハ101形は山形駅を発着する左沢線の列車だけに使用され、珍しい存在です。
新型車両のHB-220系は合計で32両が導入される予定ですが、キハ100系やキハ110系は2025年の段階で約220両あり、まだまだ活躍が見込まれます。しかし、八高線のキハ110系が置き換えられると、首都圏では気軽に見ることができなくなりそうです。
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