大阪に「異世界みたいな新駅」開業! 地下空間では世界最大の“ドデカ液晶ビジョン”も 実際に行ってみた
乗りものニュース / 2025年1月20日 15時43分
万博会場となる大阪の人工島「夢洲」に、地下鉄の新駅が誕生しました。駅の構内は、まるでSFのような雰囲気を醸し出しています。
新駅ができた「夢洲」どんな場所なのか
大阪メトロ中央線の延伸区間となるコスモスクエア~夢洲(ゆめしま)間が2025年1月19日、開通しました。公共交通機関が存在しなかった人工島に、期待の新駅が開業したのです。駅の構内は、まるでSFのような雰囲気を醸し出しています。
新駅ができた夢洲は、大阪・関西万博の会場が建設中です。それまでは未開発で、一部区画で物流施設が広がるだけでした。万博開催を機に開発が一気に進められ、そのアクセス路線として中央線がコスモスクエア駅から延伸された形です。
北東には、スポーツ施設が集積する人工島「舞洲(まいしま)」が位置し、夢舞大橋で結ばれています。南東には、大規模イベント会場「ATC」や中枢ビル「WTC」がある人工島「咲州(さきしま)」があり、夢咲トンネルで結ばれています。
以前はコスモスクエア駅から夢洲へ北港観光バスが3系統「コスモドリームライン」、4系統「コスモ夢洲便」を運行していましたが、会場工事の関連車両の往来が激しくなり、需要も少なかったため2024年8月1日に廃止。公共交通機関で夢洲へ上陸できない状態が続いてきました。
これまでの終点だったコスモスクエア駅がある咲州と夢洲を結ぶ夢咲トンネルは、道路部分が先行して2009年に開業していますが、鉄道を併設する準備工事も施されており、2020年7月から鉄道延伸部の工事が進められてきました。夢洲駅は万博の玄関口となるだけでなく、2030年にはカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開業も予定されており、国際観光拠点の玄関口ともなる予定です。
コスモスクエア~夢洲間の延長は約3.2km。路線運行としては大阪メトロの「中央線の延伸部」となりますが、線路やトンネルなど施設は大阪市主体の第三セクターが「北港テクノポート線」として保有します。
地下空間では世界最大の「特大液晶ビジョン」も
新駅は地下2階建て、ホームが一つだけの「1面2線」です。地下2階のホーム階は、門型のライン照明が配置され、未来的な異世界の雰囲気を醸し出しています。それもそのはず、新駅のコンセプトは「異世界劇場」なのです。
地下1階は中柱のない、すっきりとした巨大な空間となっており、ここに地下空間としては世界最大規模となる、高さ3m、長さ55mの特大ビジョンが設置されていることが特徴です。
天井は鉄道のダイヤグラムを想起させる「折り紙天井」となり、改札付近の天井は「水面のゆらぎ」を想起させるデザインに。トイレにも最新のデジタル技術が採用され、空室状況が一目でわかるようになっています。
開業の1日前となる2025年1月18日には、関係諸官公庁や工事関係者など約150人が参加した開業記念セレモニーが開かれ、テープカットで新駅の開業を祝いました。
式典に登壇した大阪市の横山英幸市長は「多くの汗と努力の結晶として、新駅が開業を迎えることができました。世界中の人々が、この駅から未来の実験場となる万博会場に向かっていただくことになる」と挨拶。大阪メトロの河井英明社長は、「西では夢洲、東では森ノ宮を開発し、大阪の東西軸の強化を図っていきたい」と述べました。大阪港トランスポートシステムの美濃出宏人社長は、「夢洲駅が多くの人に利用され、エリアの発展に貢献し続けることを祈念している」と話しました。
当日は、夢洲~コスモスクエア間で新駅開業セレモニーの来場者専用列車も運転され、1足早く新線で列車が走りました。
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