まだ“20隻以上が未着手”英国の原子力潜水艦 30年経ってやっと解体が始まるも手探り状態
乗りものニュース / 2025年1月23日 15時12分
やっぱり原子力潜水艦の解体は大変。
まだ1隻目の解体作業を始めたばかり?
イギリスのマリア・イーグル国防調達産業相は2025年1月16日、退役原子力潜水艦の解体とリサイクルの滞りが課題であると認め、長年の課題であり解決しなければならないと同国議会で語りました。
実はイギリスでは2023年8月に、スウィフトシュア級原子力潜水の1番艦「スウィフトシュア」の解体作業を始めるまで、原子力潜水艦を解体する設備が整っておらず、手探りの状態で作業を行っています。
原子力潜水艦に関しては、アメリカ、フランス、ロシアなどで複数の解体実績があるものの、イギリスでは最初の1隻が退役してから30年経ってようやく解体に着手しました。
イギリス海軍では、常に攻撃型原子力潜水艦と戦略ミサイル原子力潜水艦の2タイプを運用しており、既に、ヴァリアント級、チャーチル級、スウィフトシュア級は全艦が退役。トラファルガー級も2024年に最後に残った「トライアンフ」が任務を終えており、20隻以上の原子力潜水艦が解体されぬままロサイスとデボンポートに係留されたままになっています。
現在解体作業が行われている「スウィフトシュア」は2026年末に完了する予定ですが、この作業に関してはかなり特殊な方法で行っているようです。
同国国防省内の執行機関であるサブマリン・デリバリー・エージェンシー(SDA)は、同艦解体に際し、原子炉の燃料除去、放射性物質の除去、艦の分割などの段階を含む複雑なプロセスをこなしつつ、適切な廃棄物管理に加え、解体で出た部品のうち約90%のリサイクルも行うと発表しています。原子力潜水艦を解体して廃棄するために必要なコストは1隻あたり約1億ポンド(約190億円)と言われており、部品の再利用も重要な予算確保となっています。
なお、公式Xでは「他のどの国も試みたことのない方法で行われるでしょう」とアピールしています。ただ新しい作業方法で実施しているため、ほかの艦の解体計画に関してはまだ決まってはおらず、いつほかの艦が解体が始まるのかとの批判もあります。
この件に関して、イーグル国防調達産業相は「スウィフトシュア」の解体から作業員たちが、原子力潜水艦の有効な解体方法を学んでいる最中とのことで、「来年末に同艦の解体が完了すれば、解体プログラムを加速することができるであろう」と見解を述べていますが、具体的この後の計画については明らかにされなかったようです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
陸軍に「潜水艦」配備なぜ!? 旧日本軍が欲した切実な理由 極秘にし過ぎて「トホホな顛末」も
乗りものニュース / 2025年1月21日 17時12分
-
“1円で売られた空母”ついに解体へ 湾岸戦争やイラク戦争に参加した歴戦の艦
乗りものニュース / 2025年1月19日 6時42分
-
軽巡が潜航する感じ!? アメリカ本土を目指した“潜水空母” 旧海軍「伊400」の顛末は
乗りものニュース / 2025年1月18日 8時12分
-
中国海軍「異形の新型軍艦」は何者?強襲揚陸艦…のはずなのに“空母っぽい”装備? 考えられる理由とは
乗りものニュース / 2025年1月18日 6時12分
-
海自の悲願! 70年越しで実現した「空母保有」なぜ挫折続いた? 真価問われるのはこれから
乗りものニュース / 2024年12月27日 6時12分
ランキング
-
1「ハイネックが似合わない人」の3大特徴。それでも似合わせる“意外と簡単な方法”は
女子SPA! / 2025年1月23日 8時47分
-
250歳は人生120年の折り返し前!?この年代に注意すべきことは肥満?
JIJICO / 2025年1月23日 7時30分
-
3引っ越しシーズンで現場は混乱…「内見できない物件」問題に2つの要因
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分
-
4中居問題の根底にフジのキャスティング至上主義 「大物を引っ張り出せるのが偉い」という時代錯誤
東洋経済オンライン / 2025年1月23日 12時0分
-
5Wi-Fiのホームルーターに審査はある?審査内容と対策を紹介
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月21日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください