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自衛隊の帽子に付いた「カレーライス」とは? 最近ディテールの変更も「マンガ描く人必見です!」

乗りものニュース / 2025年2月9日 19時12分

遠洋練習航海に出るため、離岸する交通船の上で帽振れを行う海上自衛隊の幹部たち(柘植優介撮影)。

海上自衛隊の隠語のひとつに「制帽のカレーライス」というものがあります。知らないと、帽子にカレーを飛ばして付けちゃったのかと思うかもしれませんが、じつはある階級以上にある人を指す言葉だとか。どのような意味なのでしょうか。

カレーライスは偉い人の印!?

 海上自衛隊でカレーライスというと、多くの人は金曜日の定番メニューを連想するのではないでしょうか。もちろん大正解です。長い航海において曜日感覚を忘れないようにするために、海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べる習慣がある、というのはあまりにも有名な逸話です。

 しかし、じつは隠語として使われる場合があります。言うなれば「選ばれた人だけが身につけられるカレーライス」というのが存在します。

「カレーを身に付ける」などと表現すると、服にカレーを飛ばしちゃったようなニュアンスに感じるかもしれませんが、そのようなものではありません。これは、二等海佐以上の海上自衛官の帽子にあしらわれた刺繍のことです。

 具体的には制帽のつば(ひさし)の上面にみられる金色の装飾で、これが通称「カレーライス」と呼ばれます。確かに帽子のつばをお皿に見立てれば、刺繍部分がカレーに見えなくもないような。ちなみにこの刺繍は桜の葉がデザインされたもので、将官になるとさらに葉が密集し、ゴロゴロ具材の豪華なカレーライスになります。ちなみにカレーライスという呼び名は海自ならではなんだとか。やはりカレーといえば海自なのですね。

先ごろ錨のデザインも変更に

 この帽子、実は曹士と幹部とではあしらいも違うのです。例えば帽子の正面に付けられる帽章は、幹部用は鮮やかな金の刺繍で桜の葉と蕾がぎっしりとあしらわれているのに対し、曹士用は落ち着いた金の色合いに桜の葉と蕾(つぼみ)がやや控えめにあしらわれています。帽章自体の大きさも一回り違い、中央に配置されている桜花も微妙に違います(漫画参照)。

 デザイナー目線になってしまいますが、どちらも色や余白のバランスが優れているのに、一目で階級の違いがはっきりとわかるすばらしいデザインとなっています。豪華な幹部仕様の帽章にカレーライスが加われば、高貴な佇まいに一層拍車がかかりますね。私もイベントの時についつい探しては、惚れ惚れと眺めています。

 ちなみに、2020年には帽章のデザインが変更となり、錨が無かん錨(むかんびょう)から有かん錨(ゆうかんびょう)になりました(海上自衛隊呉地方総監部公式Xより)。詳しくは漫画内の写真をご覧ください。漫画3コマ目の写真は海上自衛官で夫のやこさんの私物ですが、幹部用は結婚式の時のものなので旧式のデザインとなっています。官品と私物とではデザインが若干違うことはご了承ください。

 カレーライスに帽章のこだわり……。顔の近くにあるのでなんとなくじっくり眺めることがない帽子の違い、機会があればぜひお近くの海上自衛官に見せてもらってください。歪み一つない職人のこだわりと、つける人のプライドを垣間見ることができます。

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