軽なのに維持費安くない! 2年連続で自動車保険料アップ 事故件数減っているのにナゼ?
乗りものニュース / 2025年2月4日 9時42分
2025年1月から軽自動車の自動車保険料が値上げされました。2年連続の値上げとなったほか、今回は形式別料率クラスの仕組みも変更され、4つの基本補償が従来の3区分から7区分に変わりました。どれぐらい上がったのでしょうか。
2年連続で値上がりした軽自動車の自動車保険
年明けからすでに1か月が経過し、軽自動車ユーザーの中には保険の更新時期を迎えた人もいると思います。そのような人の中には、保険会社から送られてきた更新書類を見て「保険料率が値上がりしたな」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
じつは2025年1月から、大手保険会社4社の軽自動車の保険料が3.5~5%ほど上がりしました。このように聞くと「ついこの前、値上げしたばかりじゃないのか?」と思った人もいるかもしれません。実際、1年前の2024年1月に3%アップしたばかり。つまり2年連続で保険料が引き上げられているのです。一昨年と比べると、軽自動車の保険料はじつに6.5~8%も上がった計算になります。
値上げの理由について保険会社は、どのように説明しているのでしょうか。昨今の自動車は、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や車間距離制御装置(ACC)、車線逸脱警報装置など、搭載された各種センサーやカメラなどを利用した先進安全装置の普及により、事故件数は95万2720件を数えた2004年のピーク時から半減し、交通事故死者数についても6分の1にまで減少しています。
しかし、一方でこれら安全装置が軽自動車にも標準で装備されるようになったことに加え、昨今の物価高や人件費の高騰により、対物・自損事故の修理費用が10年間で2割もアップしているのだとか。さらには自然災害の増加により、洪水による水没や土砂崩れなどで破損した車両も増加しており、それらが保険料の値上げ要因になっているとしています。
例えば、フロント部分を軽く接触させてしまい破損した場合、先進安全装置を備えない古いクルマならバンパー交換と板金塗装だけで修理が済んだのに対し、先進安全装置を搭載した最新型のクルマは、それに加えてバンパーに内蔵されたセンサー類やカメラなどの交換・調整作業が必要となり、修理費用は古いクルマの5~10倍に達することが珍しくなくなりました。
すなわち、同じ破損程度でも、かつては10~15万円程度で修理できたものが、現在では数十万~100万円近い金額が掛かることもあるのです。
値上げと同時に形式別料率クラスも細分化
現在のクルマは昔と比べて事故は起こしにくいものの、1回事故が起きると修理代は極めて高くつくと言えます。これは軽自動車も例外ではありません。また、長引く不況により世帯収入が横這いにあるなか、居住空間や快適性、走行性能が大幅に向上し、維持費の安い軽自動車を選ぶユーザーが増えています。
1980年代には国内の自動車台数のうち2割程度に過ぎなかった軽自動車の占有率ですが、昨今は5割に迫る勢いにまで増えており、このことが軽自動車の事故件数増加によって保険会社の経営を圧迫しているようなのです。
2025年1月に実施された自動車保険の改定では、値上げ以外にも形式別料率クラスの仕組みが変わりました。これは、損害保険料率算出機構が対人賠償・対物賠償・人身障害・車両保険の4つの基本補償から事故統計に基づきそれぞれの等級を決定し、最終的な保険料金を産出するというものです。
軽自動車の場合、この4つの等級が2019年までは1つの区分しかありませんでした。しかし、2020年からクラス1~クラス3の3区分に分けられ、さらに2025年1月からはクラス1~クラス7の7区分まで細分化されています。
7区分のうち、クラス1が事故率の低いものとして最も安く設定され、反対にクラス7が事故率の高いものとして最も高くなっています(ちなみに小型・普通乗用車の場合は17区分)。クラス1~クラス7の倍率は最大で1.7倍となります。
保険料を安く抑えたいなら、ココに注目!
損害保険料率算出機構のウェブサイトを確認したところ、これまでの3区分が7区分となったことで、従来クラス1だった車種の場合、改定後は1~2、クラス2の車種は3~4というように変化しています。これまでクラス1だったクルマが急にクラス7になるようなことは常識的にはまず考えられず、保険料がいきなり1.7倍に増えるようなことはありえません。
形式別の料率クラスは、安全装備の有無や車両価格の高さ、年式の古さなどは関係なく、自動車の型式ごとの事故発生状況に基づいて決定し、現実を踏まえて適宜見直されています。従って事故の多い車種は保険料が高くなり、事故の少ない車種は安くなります。
すなわち、売れ筋の人気車種ほど登録台数が多いので、その分事故発生率は高く、形式別料率クラスも高くなる一方、不人気車種や古いクルマは登録台数が少なく事故発生率も低くなるため、形式別料率クラスが低くなる傾向があると言えるでしょう。
小型・普通車では、登録台数の割に事故率の高いスポーツカーは形式別料率クラスが高くなる傾向にあるのですが、面白いことにダイハツ「コペン」やホンダ「S660」などの軽スポーツカーは、趣味車として大事に乗られているからか事故件数が少ないようで、対人賠償・対物賠償・人身障害・車両保険の4つの項目はいずれも1~3です。
一方、営業車として使用例の多い先代のスズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」は意外にも事故率が高いようで、それぞれの項目は5~7となっています。
自動車保険を安く抑えたい人は、損害保険料率算出機構のウェブサイトで形式別料率クラスを調べてから、買い替え時に車種選びをしても良いかもしれません。
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