「世界一オシャレかもしれない軍隊組織」そのユニーク任務とは? 本国では「そこまでイケてねーよ!」なワケ
乗りものニュース / 2025年2月11日 18時12分
イタリアでは陸海空軍以外に「カラビニエリ」という軍隊組織が存在します。イタリア国内の警察や国際治安維持活動などに従事しています。
4番目の軍隊 ルーツはイタリア統一以前に
イタリア軍には、陸・海・空軍のほかにもうひとつ軍の組織が存在します。その名も「カラビニエリ」。約11万人の人員で構成される同組織は国防省の傘下にあり、基本任務は治安維持やPKO(国際連合平和維持活動)となります。しかし、その任務からイタリアの警察組織の一部としても機能しています。
カラビニエリという言葉は、本来「騎兵隊」を意味するイタリア語になります。その名の通り、発祥は1814年にサルデーニャ王国国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ1世によって設立された騎兵隊でした。
その後、カラビニエリはイタリアが国家として統一されていく過程で、警察業務、そして憲兵業務も行う治安維持も受け持つ軍隊組織の一面を持つようになります。戦闘においても第一次世界大戦、第二次世界大戦の緒戦においては多くの戦績を残し、多数の勲章授与者も輩出しています。
制服は世界の軍隊のなかでもかなりセンスが高い?
現在のカラビニエリの任務といえば、特殊部隊を運用しての対テロ作戦や国外での平和維持活動(PKO)などがあげられますが、それだけではありません。
彼らの任務のひとつに、美術品の保護があるのです。これは、イタリア国内の治安維持の一環として実施されています。
なぜ美術品保護が任務のひとつになっているかというと、第二次世界大戦後の混乱に乗じて、イタリアでは、多くの美術品が窃盗や密売にあってしまった――という経験をもつためです。美術品を守る専門の組織が必要だと感じたイタリアは、その専門部隊としてカラビニエリを選びます。彼らは、国内の美術品の盗難や破壊工作などに常に目を光らせ、その姿勢が国内外から高い評価を得ています。
さらに、もうひとつカラビニエリに与えられた大きな役割が国家儀仗(ぎじょう)隊です。カラビニエリの傘下にある「コラッツィエリ」という騎兵部隊がその専門部隊であり、その入隊条件には「身長195cm以上」と記され、見た目も重要なファクターになるといいます。つまり、軍事組織の一部ながら、ルックスを重視されるのがコラッツィエリなのです。
カラビニエリに関しては、イタリア以外の人から見たら「ザ、イタリア!」といえるような、おしゃれな人たちであふれています。
メインカラーは黒に見えるほど深い濃紺、そこにビビットな赤のラインの入った白い文字で決めたモチーフは、制服から作業着、彼らが使う車やバイクすべてに共通して採用されています。これが、街中でも非常に目を引くのです。
さらに寒いときにはマントをはためかせ、騎馬も黒色で統一。颯爽と街を闊歩する姿は、まさにイタリアの美学といったところ。観光客からのカメラ撮影に気軽に応じてくれるところもイタリアらしいといえるでしょう。
パトロールカーには日本車も!?
もうひとつ、彼らを象徴するものがパトロールカーです。路地や狭い道が多い市街地や雪深い山岳地もあるイタリア国内をくまなく駆け巡る彼らは、さまざまな車をパトロールカーとして使用しています。
中心となるのはイタリアの国内メーカーとして有名なアルファロメオで、その「ジュリア」と呼ばれるシリーズの最高グレードをベースにしたモデルを数多く所有しているそうです。そのほかフィアットのクルマなども多く使用されています。
しかし、使用されているのはイタリアの国産車だけではありません。日本車も多く使用されています。代表的な車は、スズキの「ジムニー」です。雪深い山岳地帯でのカラビニエリの活躍には欠かせない車両となっているようです。
またスバルの「フォレスター」や「クロストレック」、三菱の「エクリプスクロス」日産「リーフ」といった車両も導入されており、イタリアの市街で見かけることができます。日本車の取り回しの良さがイタリアの細い路地にもマッチしており、彼らの活躍を支えているのでしょう。カラビニエリを表す濃紺の車体に赤いラインは、日本の車にもよく似合います。
さて、そんなカラビニエリですが、意外なことに、イタリア本国ではあまり“イカした”存在としては認識されていないようです。
というのも、現在はそこまではないようですが、昔は地方出身者が多いことやあまり高学歴者が多くないことなどから、からかいの対象になることも多いようで、間抜けな話などを「カラビニエリジョーク」という言葉で語られることもあるといいます。
しかし、このカラビニエリジョークは、カラビニエリ公式のホームページでまとめられてもいます。ジョークをも笑い飛ばして、自分たちをアピールする、これぞまさにカラビニエリの「強さ」なのかもしれません。
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