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再生手続廃止決定を受け、破産に移行へ

東京商工リサーチ / 2024年10月4日 11時50分

昌一金属の入居していたビル

 2023年12月26日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し2024年1月11日、民事再生開始決定を受けた昌一金属(株)(大阪市)は9月24日、再生手続廃止決定を受けた。今後、破産手続に移行する。保全管理人は宮本圭子弁護士(弁護士法人第一法律事務所、同市北区中之島2-2-7)が選任された。
 負債総額は民事再生手続申請時点で債権者159名に対し39億1605万円。

 1947年5月に創業した架線金物および同付属物の製造業者。大手電力会社に販路を築き、1994年9月にはピークとなる売上高49億1981万円をあげていた。その後、電柱関連のインフラ整備の一巡とともに売上規模は縮小。さらに、2011年9月期中に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故以降は、電力会社の設備投資が失速し、業況は悪化していた。
 近時の原材料価格高騰などもあり資金繰りが逼迫していたなか、2023年12月には金融機関に借入金返済のリスケジュールを要請していたが、粉飾決算が発覚。2023年9月期決算において43億4299万円の前期損益修正損を計上し、約1億円の債務超過に転落するなかで、私的整理に向けた動きも頓挫し、民事再生法を選択していた。
 以降、スポンサー候補企業との協議を進めてきたものの、ここにきて労働者の処遇などに係る労働争議に収束のめどが立たないこともあり、スポンサー企業への事業譲渡を断念。8月末を以て新規受注を停止し、破産手続に移行することとなった。

※昌一金属(株)(TSR企業コード:570087724、法人番号:1120001029810、大阪市港区市岡4-1-5、登記上:大阪市港区福崎1-2-27、設立1955(昭和30)年10月、資本金2700万円)

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