【映画コラム】女性の主張や生き方の変化を象徴する実写映画化『アラジン』

エンタメOVO / 2019年6月15日 14時16分

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 「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」を原案に、自分の居場所を探す貧しい青年アラジンと、自由に憧れる王女ジャスミン、そしてランプの魔人ジー二―の運命を描いたディズニーのアニメーション映画『アラジン』(92)が27年ぶりに実写映画化され、日本でも6月7日に公開された。

 アラジン役をメナ・マスード、ジャスミン役をナオミ・スコットが演じた本作への興味は、名作アニメを実写化したかいがあるものに仕上がっているのか? ガイ・リッチー監督の手腕やいかに? ジーニー役をアニメ版のロビン・ウィリアムズに代わって今回はウィル・スミスが演じたが…といったところにあった。

 結果、CGを多用した派手なノンストップアクションと魔術の描写、エキゾチックなロケーションなどにアクション派のリッチー監督らしさが感じられてなかなか面白く仕上がっていた。また、本来はラッパーでもあるスミスが歌う「フレンド・ライク・ミー」は、さすがに乗りがいい。というよりも、アニメ版でもウィリアムズが目立ち過ぎて、本来の主役であるはずのアラジンとジャスミンがすっかりかすんでいたが、本作もやはりスミスの独壇場といった感があった。

 また、アラン・メンケン作曲の挿入歌の配列は、アカデミー歌曲賞に輝いた「ホール・ニュー・ワールド」をはじめ、アニメ版から大きな変化はないが、今回はジャスミン(スコット)が歌う新曲「スピーチレス」が追加されている。

 そして「もうスピーチレスではない。口はつぐまない」「王は男でなくともよい」「女性にとって結婚が最良の方法ではない」というニュアンスを含んだこの曲にこそ、オリジナルのアニメ版から27年という歳月を経た故の、女性の主張や生き方の変化が象徴されている。いわば、この曲こそが今回の核なのだと感じさせられた。メンケンも「ミュージカル大作の要素と、それを一歩進めた現代性がうまく同居した作品になった」と語っている。(田中雄二)

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