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【週末映画コラム】テーマは「落ちる」ということ。裁判劇としての面白さもある『落下の解剖学』/世界最弱のサッカー代表チームの奇跡を描いた『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

エンタメOVO / 2024年2月23日 7時0分


 米領サモアのサッカー代表チームは、2001年にワールドカップ予選史上最悪となる0対31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められずにいた。次の予選が迫る中、型破りな性格のためアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)が監督に就任し、チームの立て直しを図るが…。

 『ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』(14)というドキュメンタリー映画も製作された、奇跡のような実話を基に、『ジョジョ・ラビット』(19)「マイティ・ソー」シリーズのタイカ・ワイティティ監督が映画化。ロンゲンの元妻をエリザベス・モスが演じた。

 ストーリー自体は、弱小アイスホッケーチームを描いた『飛べないアヒル』(92)、ジャマイカのボブスレーチームを描いた『クール・ランニング』(93)など、1990年代にウォルト・ディズニー・ピクチャーズが連作した、スポーツを媒介とした、問題を抱える監督(コーチ)と個性的な選手たちの再生物語をほうふつとさせる。

 とはいえ、この映画の場合は、ワイティティ監督独特の世界観とユーモアが異彩を放つ。中でも、コメディリリーフ的な役割の米領サモアのサッカー協会会長を演じたオスカー・ナイトリーが傑作だった。

 こうした映画は、結果が分かっているスポーツの試合を、いかに面白く見せるかに勝負が掛かっているが、その点でも、回想を巧みに盛り込むなどして、飽きずに見せることに成功していた。ロンゲンが「ベストキッド」シリーズの空手コーチ役のミヤギさんに憧れているのもおかしかった。

(田中雄二)

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