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“ジョジョ”とディオがあの名シーンを目の前で再現 ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」公演リポート

エンタメOVO / 2024年3月19日 12時0分

松下優也、ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」 製作:東宝 ©荒木飛呂彦/集英社

 荒木飛呂彦氏の大人気コミックシリーズを原作としたミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」が東京・帝国劇場で2月28日に千穐楽を迎えた。圧倒的なスケールと壮大な物語で物語をつづる本公演をリポートする。

 本作は、物語の全ての始まりとなる第1部「ファントムブラッド」をベースにした、主人公ジョナサン・ジョースター(通称“ジョジョ”)と運命的な出会いを果たすディオ・ブランドーを中心に、〈謎の石仮面〉をめぐる熱き戦いと奇妙な因縁を描いたミュージカル。ジョナサン・ジョースターを松下優也と有澤樟太郎がWキャストで、ディオ・ブランドーを宮野真守が演じる。(リポート回は、ジョナサン・ジョースターを松下、ウィル・A・ツェペリを廣瀬友祐が演じた)

 無音の中、スピードワゴン(YOUNG DAIS)が登場し、物語を語り始める場面から“ジョジョの世界”がスタートする。この作品では、スピードワゴンはストーリーテラーとしての役割も果たすのだ。演じるYOUNG DAISは、本作がミュージカル初出演ながら、堂々とした立ち居振る舞いで、物語を引っ張っていく。

 ストーリーは原作を忠実に再現しながらも、3時間半という限られた上演時間の中にうまく凝縮されていた。全編を通して強く感じたのは、いわゆる「グランドミュージカル」とは一線を画した新しいミュージカルであるということと、恐ろしく高度な演出がなされた緻密な作品であるということだ。まず、新しさの面でいえば、数々の効果音が生演奏でつけられていることに始まり、まるでライブを見ているかのようなライティング、そして本物の火花や炎、レーザービームなどの特殊効果を使った演出などが挙げられる。これらに新しさを感じるのは、やはりここが帝国劇場という大劇場だからでもある。グランドミュージカルの聖地ともいえるこの場所で、こうした新しい挑戦に満ち溢れたミュージカルが見られるということだけでも驚きとドキドキが止まらない。

 緻密な演出という点では、計算し尽くされた配役についても触れたい。特にHIP HOPアーティストでもあるYOUNG DAISにストーリーテラーとしてラップで物語を語らせるというのは、先ほどの「新しいミュージカル」にもつながる大きなポイントだったように思う。ワンチェンには身体表現を得意とする島田惇平を配し、身体表現やダンスでキャラクターの不気味さを表わした点もインパクトが大きかった。そのほかにもあらかじめ役割や演出を明確に決めてキャストを選んだことを感じる配役が多かったので、実際にステージを見るまでに感じていた配役の妙がピタッとハマった感覚があった。

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