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「この映画を見て、人間は変わることができるということを感じてもらえたらうれしいです」レベッカ・ミラー監督『ブルックリンでオペラを』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年4月4日 8時0分

-キャスティングでいえば、スティーブンを演じたピーター・ディンクレイジが出てくるだけで、ファンタジーのような雰囲気が醸し出され、不思議な感じがしました。監督にとって、彼はどんな存在でしたか。

 ピーターは、スティーブンの役をやるために必要な幾つもの才能を持ち合わせていました。実は、彼の兄弟がプロのバイオリニストなんです。なので、クラシックの音楽家やミュージシャンの性格や生活がどんなものなのかを知っているんです。それから、彼は非常に人を引きつける魅力にあふれた俳優です。色っぽいところもあって、とても知的なのですが、抱えている感情や不安を、直接的に観客に伝える力も持っています。この物語の中心に彼がいてくれて本当によかったと思います。彼のユニークな個性が、この映画を他とは違うものにしてくれたと思います。

-マリサ・トメイが演じたカトリーナへのスティーブンの思いが変化していくところも、この映画のテーマの一つだと思いましたが、彼女はいかがでしたか。

 マリサは、自分が着る衣装にもとてもこだわって演じてくれました。特に最初の登場の時には、曳舟の船長という労働者のキャラクターにリアルな説得力を持たせてくれました。そこから、カトリーナの生来の美しさ、輝きみたいなものがだんだんと見えてきて、私たちも、そのステップとともに彼女の魅力に入り込んでいくわけです。そこには微妙なタッチが必要だったのですが、マリサは見事に演じてくれました。

-最後に流れる、ブルース・スプリングスティーンの「Addicted to Romance=恋愛依存症」はカトリーナのことを歌っているのですね。

 ブルースとは少し縁があって、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(15)の時に、彼の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という曲を使わせてもらいました。今回は、奥さまに連絡をして、曲を書いてほしいとお願いし、2人に映画を見てもらいました。そうしたら、すごく気に入ってくれて、3日間であの美しい曲を書いてくれました。この映画は、人間が互いにインスピレーションを与え合うことがテーマの一つなので、この映画と彼のインスピレーションのサイクルが合ったことが、とてもうれしかったです。確かに、この曲はカトリーナのために書き下ろされた曲です。私の解釈では、「人生に遅すぎるということはない。セカンドチャンスはいつだってそこにある」ということを言っているのだと思います。カトリーナには、人生を諦めてしまったところがありますが、彼女にもまだチャンスがあるということです。

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