中川晃教&相葉裕樹&木内健人、初演から「どう“進化”させていくのか」 ミュージカル「CROSS ROAD」2年ぶりの再演に挑む【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年4月2日 8時0分
相葉 僕は手応えよりも、これを形にするということに全力を傾けていたように思います。村中さんの楽曲もとても難しく苦戦しましたし、いただいたものを自分のものにしていくことに時間と労力がかかり、ミュージカルとしてお客さまの前で演じることに必死でした。オリジナルミュージカルということもあって、お客さまがどう評価してくださるかは、やってみないと分からない部分があったので、そういう意味でも必死だったんだと思います。ただ、僕たちの団結力はとても高く、お客さまに届けるんだという確固たる意志やエネルギーが生まれた稽古場でしたし、このカンパニーならきっと思いが届くだろうという気持ちでやっていました。そうした稽古、そして初演を乗り越えた今回は、より柔軟にチャレンジし、より楽しく、見やすく、すてきなミュージカルをお届けできればと思っております。
-木内さんは、今回、脚本を読んでどんな感想を持ちましたか。
木内 (原作・脚本・作詞の)藤沢文翁さんは、すごく言葉を大事にする方なのだなと感じました。これは僕がいつも思っていることなのですが…ミュージカルってすごく曖昧なものなのではないかと思うんです。音楽があってダンスがあってお芝居があるのがミュージカルなのかというと、きっとそうではない。じゃあ、何が正解なのかと言われると、作り手や書き手、演出家さんそれぞれに答えがあって、それを作品の中で提示しているのだと思います。役者はそれを受け入れ、一緒に作り上げていくものがミュージカルになっていくのだと、僕は漠然と思っています。そうした考えがありながら今回の脚本を読んだとき、藤沢さんの中のミュージカルの定義を強く感じました。言葉を大事にされる方だからこそ、明瞭に「ミュージカルを作りたい」という思いを感じる脚本だと思いました。俳優から出てきたものと演出家さんから提示されたものをドッキングして作り上げていけば面白い作品になるなと僕は思っています。
-ところで、皆さんも俳優というクリエーティブな仕事に就いていますが、パガニーニに共感できるところはありましたか。
相葉 悪魔と血の契約をしたことによって、命と引き換えにすばらしい音楽を100万曲弾けるという物語ですが、芸術家としてもっと高みにいきたいのにいけないというもどかしさや、そこで契約をしてしまう弱さは理解できます。そうした人間の脆さや弱さには共感できるところはありました。
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