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海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月9日 13時0分

村井 確かに。そもそもたくさんリプライズ(注:楽曲を繰り返すこと)があるミュージカルではなくて、1曲1曲がまとまって完成されているような、“シングルカット”のような楽曲が多いと思います。作品を通してずっと音楽が流れているというよりは、シーンとシーンの間や、そのシーンを表現するために音楽があるので、役者たちが作品全体を通して1本線を這わせるように歌うことを目指していかなければいけないと考えています。「すずにとっての周作」を歌を通してこれから調整していこうと思います。

-お稽古の中で手応えは感じていますか。

村井 先日、初めて通し稽古(注:最初から最後まで通して稽古をすること)を行ったのですが、まだ見ている側にどう伝わっているのかが、分からないままやっているような感覚がありました。なので、海宝くんの意見を聞いてみたいと思っているのですが。

海宝 漫画でも周作がすずに影響を与えるということはすごく少ないんだけど、ミュージカルだとそうしたものがさらに絞られているんですよ。それは一豪さんの意図でもあると思います。通し稽古を見ていて、この物語はすずの目線で進んでいくものだから、周作もすずの目線で描かれていることをすごく感じました。なので、お客さんもすずのフィルターを通して見ることで、それぞれの感情を投影していくというキャラクター作りになっているのだと思います。

-なるほど。では、この作品で描かれる「すずから見た周作」という人物像は、どう考えていますか。

海宝 「周作というキャラクターは、最初から最後まで変化する人間ではない」と一豪さんはおっしゃっていました。結婚したときから周作なりにすずに愛情や優しさを注いでいますが、すずが置かれている状況に追い詰められたとき、(周作の)優しさは優しさと感じられない瞬間もあって、決して伝わりやすい人物ではないと思います。ただ、最終的には、周作の優しさを感じてもらえると思うし、それが一豪さんが描きたい周作像なのかなと僕は感じました。

村井 すずは最後の最後に、周作の隣にずっといていいんだと実感できるのだと思います。もちろん、それまでもそう考えていたと思うけれども、最後に周作の包み込むような優しさが見えてきて、「やっぱり周作がいないといけない」という思いにつながるように思います。

海宝 最後のシーンに周作が出てきたときに、ホッとしてもらえたらいいなと。

村井 それは感じる。すずに何か影響を与えなくてはと思ってこれまで稽古をしていましたが、(通し稽古を終えて)そうではなくて、広い心でただ受け止めてあげるというのが良いのかなと考えています。口数は少ない男ですが、心の広い男なんだというのは感じます。

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