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「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月9日 16時22分

 日本の鉄道のシーンは、時間的にはタイトな撮影ではあったんですけど、実際に電車をお借りして撮れました。この映画の中では、ジミーが旅をしているということは重要な筋なので、彼自身はそんなに大きく動いているわけではないけれど、どんどん背景が流れていくというのが、この映画の壊している部分だと思ったので、これはすごくいいなと思いました。台湾では、路地を歩いているといろんな人から話し掛けられたりするんですけど、台湾の人々の温かさが道に出ているというか、何でもない路地がすごく美しく見えました。

-藤井道人監督とはずっと一緒に映画を撮っていますが、基本的に撮影監督は監督の意図をくんで撮るものなのでしょうか。それともディスカッションをしながら2人で作っていくような感覚なのでしょうか。

 もちろんディスカッションをしながら作っていくんですけど、 やっぱり脚本が指針になります。文字から映像を作っていくということは、それぞれの想像に頼る部分が多いと思うんです。僕は、脚本に書かれていることが彼の意図だと思っていて、脚本中にどう書かれているのかを、お互いが話し合ってイメージを膨らましていくというよりは、脚本を読んで、その文字から自分の中で浮かんだ映像をお互いに共有したり、この脚本からこういう映像や絵が浮かんだからこういうふうにしようと話し合ったり、というような感じです。

-今回、台湾のシュー・グァンハンが、18歳と36歳を演じ分けていましたが、撮影者から見て彼の魅力というか、俳優としてのイメージはどんな感じでしたか。

 最初に会った時は本当にシャイで、僕たちもコミュニケーションを取るのが難しかったのですが、撮影が進むに連れてどんどんと心を開いてくれました。彼の撮影は日本のパートからだったんですけど、それがすごくよかった。まず、孤独な青年役として日本のパートを撮って、物理的にも僕たちとの距離が近くなって会話もできるようになってきて。その後、台湾パートを撮影する頃には、本当に映画の中のキャラクターのように明るい感じで。まさに映画の流れと同じように撮影ができたので、僕たちとの距離感の縮まり方が、キラキラした時を演じるに当たって、すごくいい作用をしていたと思います。それから、例えばアドリブがあったら、僕は彼が何を言っているのか分からないはずなのですが、日本の俳優を撮っている時と同じように、この人はこういうことを考えているなとか、こういうふうに動くだろうなとか、そういうことがよく分かる人でした。なので、言葉が通じるとか通じないとかは関係なく、いい俳優をカメラで撮っていると、その感情がちゃんと分かるというのはすごいと思いました。

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