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上白石萌歌&森田想&加藤拓也監督「8人の個人的なお話を楽しんでもらえたら」 ドラマ「滅相も無い」【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月21日 10時0分

役を演じる際に苦戦したところはありましたか。

上白石 終始ずっとバクバクしていました。モノローグと実際の会話の切り替えがはっきりしている作品なので、このせりふは今誰に言っているのか、 自分に言っている言葉かもしれないし、その会合にいる相手に言っている言葉かもしれないし、モノローグとして言っているのかもしれない。そういったベクトルを自分で分かっていなければならなかったので、そこの言葉の感覚が難しかったです。

森田 私はバレエをやっている役なので、実際のバレエをしている風景を撮るシーンというよりも、それ以外のシーンでバレエをやっていた人の姿勢に見えているだろうかというのが不安で難しかったです。

-反対に、この作品だからこその面白さや醍醐味(だいごみ)を教えてください。

上白石 加藤さん節が全開なところは1ファンとしてうれしかったです。私も舞台も映像もやっていて、どちらも好きですし、楽しいので、両方のエッセンスを感じられたのは、今回の現場ならではの面白さでした。

森田 演じる側にとっては、どの瞬間も楽しかったなと思います。加藤さんが情報解禁のときのコメントで「映画的な手法と演劇的な手法の融合」というお話をされていましたが、そこの部分は自分の中で撮影時に思っていながらも、決めつけることなく、いい意味で現場のスタッフさんや監督、キャストの皆さんの空気に流されながら作ったので面白い部分でしたし、しっかり映像として映っていると思います。

-加藤監督から見たお2人の印象はいかがですか。撮影現場でのエピソードも教えてください。

加藤氏 森田さんとは映像作品で何度か一緒にやらせてもらっていますが、言語感覚が僕とすごく近い感じがして、しゃべりやすいです。上白石さんも一緒で、自分と言語感覚が近い人と一緒にやれるといいなと思っているので、そういう意味では2人共ぴったりだったなと思います。

上白石 松岡は過労で精神的に極限状態から始まる役なので、普通に寝てはいけない気がして、ソファや床で2時間くらい浅めに寝るようにしていたら、加藤さんに「いや、寝たら?」と言われて…(笑)。

加藤氏 寝た方が健康だからね(笑)。そんなこともありました。

-最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

上白石 登場人物8人のそれぞれの苦しみやささいな悩み、いろんな形の葛藤が描かれるオムニバスドラマです。ご覧になる方は“自分はこの人だな”と重なる瞬間があると思うので、見ている方も主人公になれるようなドラマだと感じています。私は深夜にテレビを付けて、そのままドラマに見入ってしまうことがよくあるので、深い時間に、この作品を見られるのはすごくぜいたくだなと思いますし、春の長い夜のお供にしていただけたらうれしいです。

森田 30分間で1時間半くらい見たような気持ちになれる作品です。すごく濃密ですし、手放しで見ても何か引っ掛かる部分が起きるような面白いドラマなので、楽しんでいただきたいです。

加藤氏 全8話で8人のすごく個人的なお話を描いています。その個人的なお話を楽しんでもらえたらと思っています。

ドラマは毎週火曜 深夜0時59分からMBS、毎週火曜 深夜1時28分からTBSで放送中。

(取材・文/小宮山あきの)


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