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「ボブの歌に込められたメッセージと愛を感じてほしいと思います」『ボブ・マーリー:ONE LOVE』レイナルド・マーカス・グリーン監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月21日 12時0分

-監督が特に好きなボブ・マーリーの曲は?

 「リデンプション・ソング」です。ボブの最後の、本当に究極の一曲だと思います。

-実話の映画が続いていますが、次回はフィクションを、という考えはありますか。

 皆さんは気付いていないかもしれませんが、例えば、マーティン・スコセッシやスパイク・リーは、「これは実話に基づく伝記です」とは言いませんが、実は彼らが手掛けている物のほとんどは実話がベースです。だから、ある意味、彼らはずっと伝記映画を作り続けているのだと私は思っています。ただ私は、次も伝記物で行こうと決めているわけではないですし、チャンスがあるなら、コメディーからホラー、ありとあらゆるジャンルに挑戦してみたいと思います。自分にとっての理想的なキャリアは、スタンリー・キューブリックみたいに、すごく壮大な戦争映画から心理サスペンスに行って、次はSFに行くみたいになれたらうれしいです。ちょっと老けて見えるかもしれませんが、意外とまだ若いので(笑)、可能性はあると思っています。

-最後に、日本の観客に向けて一言お願いします。

 もちろん監督としては、自分が作った新しい作品を皆さんにお目にかけて、気に入ってもらえればいいというのが正直な気持ちです。ジャマイカの文化や歴史、ボブ・マーリーの人物像をなるべく忠実に正確に描くということで、ディテールまで徹底的にこだわったので、そうした点にも注目していただきたいです。あとは、何より彼の歌、そして歌に込められたメッセージと愛を感じてほしいと思います。それが彼の歌や音楽についてのより深い理解につながって、もっと聴きたくなったり、もっと彼のことが好きになったりしてくれる人が増えて、彼の音楽の軸になっているポジティブなメッセージを、次の世代、新しい世代の人がどんどん発見して、それをつないでいってくれれば、それ以上にうれしいことはないと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)


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