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「光る君へ」第二十回「望みの先に」伊周、詮子、道長…藤原一族に見るキャラクター表現の見事さ【大河ドラマコラム】

エンタメOVO / 2024年5月25日 8時55分

 そして、出世欲が希薄で、骨肉の争いを繰り広げる一族を何とかまとめようとする道長のおおらかさとバランス感覚に優れた政治力にも、どこか兼家の血を受け継いでいる気配が感じられる。その点では第三回、「自分は三男なので」と出世に興味を示さない道長に向かって、兼家が「わしも三男だ」と、尻をたたいた一幕も印象的だ。道長に関しては、その性格に直秀(毎熊克哉)ら庶民と交流していた過去が加わり、他の一族とは異なる行動につながっている。


 最初は無垢(むく)なお姫様として登場した中宮・定子も、一条天皇ときょうだいへの愛ゆえに、次第に計略を用いるようになる姿は、少しずつ叔母である詮子に近づいているようにも見える。伊周に語った「あの女院様(=詮子)からわが身を守り、帝をお守りしているうちに、強くなりました」というせりふも印象的だ。

 こうして振り返ってみると、第一回から兼家を軸に積み重ねてきた藤原一族らしさが、それぞれのキャラクターに少しずつ受け継がれ、それが物語を動かす原動力になっているのが面白い。これぞ大河ドラマの醍醐味(だいごみ)といえるのではないだろうか。

 そしていよいよ次回から、越前守に任命された為時と共にまひろも越前に赴き、「越前編」が幕を開ける模様。次回予告では、宋からやってきた周明(ヂョウミン)役として発表されている松下洸平の顔も見えたが、はたしてどんなキャラクターとして登場し、まひろとどんな関わりを持つのか。期待を込めて見守っていきたい。

(井上健一)


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