飯豊まりえ「舞台をやるなら、厳しい環境で勉強したいと思っていました」シェークスピアの名作に挑む思い『ハムレットQ1』【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年5月27日 17時0分
-お芝居で映像作品との違いを感じる部分も?
映像ならカメラが寄ってくれるので、口に出すことなく表情で伝えられるところも、舞台の場合、言葉にしないと伝わりません。特にこの作品は、シェークスピアということもあり、せりふが多いんです。その点、森さんが「こういう言い方をした方が、見ている人がイメージしやすい」と演出をつけてくださるので、なるべく心地よく、伝わりやすいように、と発声を心がけています。
-女性の吉田羊さんがハムレットを演じるのも、この作品の特徴です。
羊さんは「女性ならではの繊細な部分も出るのでは」とおっしゃっていて、そういう部分を森さんと一緒に常に探られている印象です。
-稽古中の吉田さんの印象は?
羊さんは、お稽古のとき、率先してご自身が考えてこられたお芝居を演じられるのですが、森さんから「こうしてほしい」とお話があると、すぐに切り替えて応じられていて。私も「まずは自分の考えてきたお芝居を試してみよう」と思うことができました。
-座長としての吉田さんはいかがでしょうか。
羊さんは、常に一番早くお稽古場に来られて、終わってもしばらく書き物をされています。お稽古では、大きな声で「こうしよう」とお話しされるのではなく、みんなが萎縮することのないように、場を和ませてくださるんです。おかげで、緊迫した物語にもかかわらず、稽古中に笑いが起きたりして。それはやっぱり、羊さんが柔らかい雰囲気をお持ちでいらっしゃるからだと思います。
-Q1、Q2、F1と呼ばれる三種類のハムレットのうち、今回はQ1版の上演ですね。
Q1は、現在もっとも上演されている4時間くらいあるF1版と比較するとぎゅっと凝縮したような内容です。刈り込むことで感情の流れがわかりやすくなり、「ここで間を取りたい」というところに時間を使える。それによって、お客様に考えてもらう余白が生まれるのが、Q1の魅力だと森さんからお聞きして、自分の中で自由度が上がりました。
-映画やテレビドラマなどの映像作品と異なり、観客の反応がその場で返って来るのも舞台の特徴です。
最近は、ドラマや映画を倍速で見たり、途中で止めて後で続きを見たり…という方も多いと思いますが、舞台はその場の空気感や芝居の間まで含めて同じ時間を劇場にいる全員が共有するので、とても贅沢な時間だなと思います。私も普段、舞台を観劇するときは、そういう時間を楽しんでいます。お客様の表情や反応がどんなふうに見えるのか、楽しみにしています。
-最後に、公演を楽しみにしているお客様へのメッセージを。
ハムレットの軸にあるのは復讐劇ですが、森さんは「赦し」というテーマを大事にしたいとおっしゃっていました。完全な悲劇でないところが、今回の『ハムレットQ1』の特徴です。その点に注目いただき、私たちの新たな『ハムレットQ1』をぜひ楽しんでください。
(取材・文・写真/井上健一)
『ハムレットQ1』は5月11日から6月2日まで東京・PARCO劇場のほか、大阪、愛知、福岡で公演
-
-
- 1
- 2
-
外部リンク
- 高橋一生 水中撮影に手応え「臨場感のある芸術的な映像に仕上がった」 ドラマ「岸辺露伴は動かない」第9話「密漁海岸」記者会見
- 柿澤勇人&吉田鋼太郎が挑む「ハムレット」 「ずっと心に残る、一生の財産になる作品」に【インタビュー】
- 玉城ティナ「おばあちゃんになっても共演できたら」 飯豊まりえ「ティナと共演できるとは」 高校以来の親友同士がダブル主演「君と世界が終わる日に」Season5【インタビュー】
- 「何曜日に生まれたの」 “すい”飯豊まりえが“公文”溝端淳平の仮面を壊す 「ストーリー、泣き笑い、映像、伏線回収、結末、そして音楽。全て最高」
- 「何曜日に生まれたの」“すい”飯豊まりえが事故で助けを求めた人物が明らかに 「接点がまさかあの事故の現場に。野島脚本すごし」
この記事に関連するニュース
-
西野七瀬、30歳を迎え「素直にうれしい」 2度目となる劇団☆新感線で戦女役に挑む「記憶に残る作品に」【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年6月26日 8時0分
-
踊らずにはいられない狂犬たちによるダンサブルコメディ、舞台「ovation! ovation!!」メインビジュアル解禁
ORICON NEWS / 2024年6月13日 21時0分
-
SixTONES・高地優吾、初の単独主演舞台『Come Blow Your Horn~ボクの独立宣言~』上演決定
クランクイン! / 2024年6月13日 4時0分
-
松下洸平、世界初上演ミュージカル「ケイン&アベル」で主演 ライバル役は松下優也【コメント】
モデルプレス / 2024年6月11日 4時0分
-
原嘉孝主演! 紅ゆずる共演! 野坂実×アガサ・クリスティー ノサカラボ「ゼロ時間へ」上演決定!!
@Press / 2024年5月31日 10時0分
ランキング
-
1「アンメット」最終回、“グミ”で伏線回収 ミヤビ(杉咲花)&三瓶(若葉竜也)のセリフリンク・ラスト10秒に「鳥肌」「素晴らしい終わり方」と反響
モデルプレス / 2024年6月24日 23時36分
-
2「港区女子にいそう」西野カナ、ギャル卒業の激変ビジュアルが楽曲イメージとズレる? 困惑の声も
週刊女性PRIME / 2024年6月26日 15時45分
-
3『with MUSIC』低迷の理由は“出演者”ではない?世界的に音楽番組が「衰退の一途」を辿っているワケ
日刊SPA! / 2024年6月26日 8時50分
-
4“令和の峰不二子”阿部なつき ビーチショットで“美くびれ”披露に「凄い」「疲れ吹き飛んだ」
スポニチアネックス / 2024年6月25日 10時37分
-
5『ミヤネ屋』と『ゴゴスマ』視聴率バトルに異変。“MCのブランドイメージ”で分かれた明暗
日刊SPA! / 2024年6月25日 15時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)