山村隆太「ロケ地で過ごした1カ月弱がなかったら、flumpoolが今作っている楽曲も変わっていた」 映画初出演を通して感じた変化【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年6月1日 8時0分
-不安だったという号泣シーンの撮影はいかがでしたか。
前日は緊張して寝れなかったです。ただ、同時にすごくやりがいのあるシーンでもありました。これほど逃げたくなることはないですから。「自分は感情を爆発するほどの人生を生きてきたのか。それほどの思いを映像を通じて伝えられる生き方をしてきたのか」と自問自答してしまい、それでもそこに食らいつこうとしていたのでやりがいは大きかったです。自分の人生を賭けて、挑ませてもらいました。
-ピアニストの里香を演じる松下さんの印象は?
音楽大学出身でミュージシャンでもある松下さんは、きっと僕とは生きている世界が違うんだろうなと考えていましたが、実際にお会いしたら、昔から知っているような親近感を感じました。孤独にピアノと向き合う方で、でも周りの人を大切にする思いを感じることもありました。それこそが松下さんの生き方なんだろうなと思います。
-今回、主題歌「いきづく feat.Nao Matsushita」を松下さんとコラボされましたね。
まさに僕がこの曲に込めたかった思いを、松下さんが第一声目で、何の注文もせずに、体現して歌にしてくれました。逆に僕たちがそれに引っ張られて、こういうふうに歌っていこうとまた新しいアプローチができましたし、すごく刺激的でした。
-この「いきづく」という楽曲には、どんな思いが込められていますか。
今回、撮影で美作に1カ月ほど住まわせてもらっていて、自然に触れることがすごく増えていって、東京ではなかなか持てない時間を過ごさせていただきました。一人で山でボーッとして、気持ち良い春の風が吹いてきて、それが草花を揺らしているのを見て、風に体が包まれたような気がしたんですよ。里香と淳也もきっとそういう関係性なんだろうなと思うようになり、普段は見えない自分の思いも、大切な人と生きることによって気付くことがある。そうした思いを描きました。この作品の最後に、里香と淳也を演じた二人が一緒に歌った「いきづく」がエンドロールで流れます。劇中では言葉を交わすシーンは少ないですが、歌を歌ことによって、お互いの命を確かめ合っているかのようなシーンになればと思い、“生きることに気付く”という意味で「いきづく」というタイトルにさせていただきました。
-そうすると、山村さんが淳也を演じて、そして撮影を通して感じたことが楽曲に反映されているのですね。
そうですね。ロケ地で過ごした1カ月弱がなかったら、flumpoolが今作っている楽曲も変わったんじゃないかなと思います。撮影は、コロナ禍が落ち着いてすぐに行ったのですが、コロナ禍も含めて考える時間があったというのは僕にとって大きなものでした。何となく生きて、生きがいが見つけられない。何で生きているんだろうと感じて、知らない間に年月が経ってしまう。コロナ禍でそんな時間を過ごしていたので、自然の中で考える時間をもらえたことで、自分の中の感情や、自分の中に確かに息づいているものに気付かされたように思います。
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