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【週末映画コラム】まさに体感する映画『マッドマックス フュリオサ』/ワンシチュエーションの二人芝居『告白 コンフェッション』

エンタメOVO / 2024年5月31日 8時0分

 ところが、70歳を迎えて前作『~怒りのデス・ロード』で本卦還りをして驚かせたが、今回はさらにパワーアップしていた。ミラー監督いわく「パワーの源は好奇心」だそうだ。

 またミラー監督は「マッドマックスは一種の寓話(ぐうわ)であり、神話的な物語の原型」だと語っているが、確かに、荒涼とした風景、馬の使い方なども含めて西部劇的なものを感じさせるところもある。そのハードな主人公が女性というところに、最初の『マッドマックス』から45年という月日の流れや時代の変化を感じさせられる。

 さて、この壮絶な”前日譚”を見せられたら、さかのぼって『~怒りのデス・ロード』が見たくなるのは必定だ。

『告白 コンフェッション』(5月31日公開)


 大学山岳部のOBで親友同士の浅井(生田斗真)とジヨン(ヤン・イクチュン)は、16年前の大学卒業登山中に行方不明となり事故死とされた西田さゆり(奈緒)の17回忌の慰霊登山に出かけるが、猛吹雪に遭い遭難してしまう。

 脚に大けがを負ったジヨンは死を覚悟し、16年前に自分がさゆりを殺害したと告白する。だが、吹雪の中、奇跡的に山小屋が見つかり、2人は一命を取り留める。

 殺人を告白してしまった男とそれを聞いてしまった男。山小屋で救助隊の到着を待つ中、2人の間には気まずく不穏な空気が流れ始める。

 福本伸行原作、かわぐちかいじが作画の同名漫画を、山下敦弘監督が実写映画化。密室である山小屋で繰り広げられるワンシチュエーションの二人芝居なので舞台劇のようでもある。

 心理劇、葛藤劇かと思いきや、途中からホラーの様相を呈する。74分の“中編映画”だが、グロテスクな描写も多く、見ていて疲れを覚えた。

 ただ、そもそもが”勘違い”から始まったことなので、両者の食い違いから生じるユーモラスなシーンもある。またホラー描写も極まるとどこかおかしさを感じるので、改めて、ホラーとコメディーは紙一重、表裏一体だと思わされた。生田とイクチュンのすさまじい演技も見どころだ。

(田中雄二)

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