1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

「この映画を作りながら、プリンスが僕の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません」『プリンス ビューティフル・ストレンジ』ダニエル・ドール監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年6月14日 8時0分

-映画の冒頭でミネアポリスの黒人の歴史を詳しく紹介していました。もちろんこの映画はプリンスが主役なのですが、ミネアポリスという土地やそこに住む人々が、もう一人の主役のような感じがしました。

 その通りです。そう言っていただいてうれしいです。僕は、人はどこで生まれ育って、どういう経験をしてきたのかということが、その人の人物像を作ると思っています。その意味では、プリンスがどういう所で生まれ育ったのか、この希代の天才がどういうふうに形成されていったのかということは、ミネアポリスの歴史的な背景を抜きにしては語れないと思ったので、それを冒頭に入れました。

-最近はミュージシャンの伝記映画も数多く作られていますが、劇映画ではなくドキュメンタリーだからこそ見えてくるものがあるとも感じました。

 おっしゃる通りです。最初は、プリンスの周りにいたコミュニティーの人たちにインタビューをしたいと思っていましたが、割と閉鎖的というか、皆あまり話をしたがらないんです。実際に、昔からプリンスのことを知っている人たちの中には、彼の悪いところや汚いところを強調する人たちが結構多かった。例えば、彼がドラッグの中毒で死んでしまったとか、悪い方向に話を持っていってしまうんです。僕は、この映画を通して、プリンスが素晴らしい人物だったことを描きたかったし、純粋に彼をたたえる映画にしたいと思っていたので、そうした思いをコミュニティーの人たちに伝えると、「今までそんなふうに取材をする人はいなかった」と。そこから皆さん打ち解けて、さまざまな真実を語り始めてくれました。正しい意図を伝えたことで、周囲の人たちが真実を提供してくれたと思いました。

-この映画を撮り終えてどんな思いがありましたか。

 プリンスは、もちろん才能あふれる人ではありましたが、もちろん人間なので、何かしらのあらがあったり、何かしらの失敗もしてきた人ではありました。ただ、彼はそこをうまく解消して、消化していったというふうに感じました。それをファンの人たちもよく理解していたのではないかと思います。今までいろいろな映像を制作してきましたが、この映画は、僕にとって一番大切なドキュメンタリーになったと思います。どちらかというと彼の音楽よりも、彼の人間性に引かれたところが多かった気がします。この映画を作りながら、彼が僕の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません。僕をよりよい人間にしてくれたと思っています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください