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連続テレビ小説「虎に翼」 主人公・佐田寅子を演じる伊藤沙莉のオフィシャルインタビュー

エンタメOVO / 2024年7月5日 12時0分

――第69回(7月4日放送)、穂高の退任祝賀会でのやり取りも印象的でした。演じていていかがで
したか?

 演じるにあたっては、なぜ寅子は穂高にここまで怒るんだろう? と悩みました。その気持ちを監督に話したら「表現としては怒りかもしれないけれど、ここは寅子から穂高に愛情を伝えるシーン。ここで二人は、ただの仕事相手や師弟関係じゃできないけんかをしている。もはや、ある種の親子げんかであって、これは大いなる愛なんです!」と。そうした視点で脚本を読み返したら、ふに落ちたんです。
 きっと寅子は、穂高先生のあいさつを聞いて『今までやってきたことすべてが雨垂れの一滴(ひとしずく)だと言うの? すごいことを成し遂げた先生を尊敬していたのに、そんな後ろ向きなことを言わないでよ!』と感じたんですよね。怒っているときって、根底にあるくやしい気持ちや悲しみ、恥ずかしさなどが怒りとして表れているんだと思うんです。ここでも寅子の声色や温度感は怒りに見えますが、根底にある先生への愛と敬意が怒りとして表れたと捉えていただけたらうれしいです。

――そんなところも寅子らしいですね。

 もう最後だからいいや! と見逃がさないのが寅子ですし、それが彼女の愛なんです(笑)。まぁいっか! で、その人との関係性を終わらせたり諦めたりしない。寅子は絶対に、相手に気持ちを届けることを諦めず、関わり続けていく人なんですよ。かつて懐かしき兄が、「思ってることは口にだしていかないとね。うん、その方がいい!」(第15話、4月19日放送)と言っていましたが、寅子もそのマインドを持っているんだなと思いましたね。


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