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「この作品と観客がどうインタアクションするのかにすごく興味があります」『大いなる不在』藤竜也、近浦啓監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年7月10日 8時0分

-藤さんは、今回近浦監督と3度目のコンビを組んだわけですが、藤さんにとって近浦監督はどういう存在ですか。

 信頼感というよりも、私にとってはちょっとスーパーマン的な感じがします。というのも、私は古い映画会社(日活)で俳優になって、10年そこにいて、撮影所が閉鎖になって、それから今までやってきているわけだけど、インデペンデント映画は、自分で全部支度をして、作る状況を整えて、演出をして、なおかつ海外にまで意欲的に紹介して、世界のさまざまな国で映画が楽しめる場所を作って…。私から見ればちょっと大谷(翔平)っぽいなと。そのぐらい時代が変わったのかなと。本当に素晴らしい時代に、私はまだ俳優をやれていてハッピーです。

-ギクシャクした関係の息子役の森山未來さんの印象はいかがでしたか。

 ちょっとニュアンスのある表現を巧みにされるので、森山さんのあの空気感は分かるなという感じです。本当に迷惑なことになっちゃって、25年も音信不通だったおやじと仕方なく接触して、だんだんと引きずり込まれて、大変だろうなという。父親に対する戸惑いと屈折感について非常に陰影のあるお芝居をされたので、とても楽しかったです。素晴らしかったです。陽二さんといい対照になってよかったんじゃないかと思います。

-監督、原日出子さんが演じる陽二の奥さんが行方不明になるところは、ちょっとミステリーぽいものを意識しましたか。

近浦 僕にとっての映画は、第一義としてエンターテインメントです。90分〜120分の良質なエンターテインメントを作りたいという思いで、映画制作に取り組んでいます。ですので、この映画についても、最後まで何らかの気持ちを抱きながら楽しんでもらえるフックが必要でした。そのうちの一つがミステリーだったのかもしれません。事物の見せ方に関しては若干ホラー映画的な試みもしています。そういったいろんなことをミックスしながら、2時間ちょっとの旅を、観客の皆さまには寝ずに、あるいは劇場から出ていかずに一緒に過ごしてもらいたいなと。最後にたどり着いたら何かを持って帰ってもらえるんじゃないかなというふうに思っていますので。ミステリーの部分に関しては、何度か見ればおおよそのことは分かると思います。いろんなヒントをちりばめています。

-藤さんに、以前インタビーした時に「台本が覚えられるうちは俳優を続ける」とおっしゃっていました。今回も長ぜりふがありましたが、日頃から何か訓練はしているのですか。

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