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「この役を通して、言葉をどう伝えるのか、表現するのかということを探っていたような気がします」『劇場版 アナウンサーたちの戦争』森田剛【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年8月15日 8時0分

-アナウンサーが国策に利用されて、戦場の最前線にまで連れて行かれるということについてはどう思いましたか。

 そのことについては僕も知りませんでしたが、僕の周りでも結構知らない人が多いんです。だからそれだけでもやってよかったなと思います。ここに出てくるアナウンサーの方は、自分の中に信念があって、誰も間違ってはいないんです。和田さんは、自分の言葉で人々を楽しませたいという純粋な気持ちだったし、ほかのアナウンサーの方もそうだったと思います。それが、戦争のせいで取り返しのつかないことになってしまって…。だから撮影中も、皆が信念を持ってぶつかり合ったり、熱い思いを持っているのに、何で皆が戦争に傾いていってしまったのかと思いました。そうしたどうにもならないことがあることを、今の若い人たちに感じてもらえたらいいなと思います。

-結果として戦争に協力をしてしまうという、理不尽で葛藤の多い役だったと思いますが、どのようにして自分の中に落とし込んでいったのでしょうか。

 集中することでした。実際に起きたことでも、当時の人はその先に戦争が起きるとは思ってもいなかったと思うんです。でも演じている僕らはその先に起きることを知っています。だから、起きることの真実に対して集中する、そこに全力を傾けるということを考えながら人とも対峙していたし、いろんなシーンで常に集中していました。

-言葉を発して他人に影響を与えるという意味では、アナウンサーも役者も共通点があると思いますが、和田さんに共感する部分はありましたか。

 共通点があるからこそ魅力を感じたんだと思います。やり方が微妙に違うかもしれないけれど、自分の中に入れてそれを出すという部分では通じるところがあると思います。和田さんは電車の中とかでもブツブツしゃべっているんです。僕もせりふを覚える時にはブツブツしゃべっている(笑)、その辺は似ているというか一緒だなって。和田さんは、飯を食っていても、人と会っていても、何をしていても、アナウンスをするということが常に頭の中にある。僕も常に自分のせりふを覚えなきゃいけないという思いがある。そこは何か一緒だなという感覚があります。

-今回演じるに当たって、「言葉」について深く考えましたか。

 そうですね。アナウンサーは伝える仕事なので、自分からどういう音を出すのか、演出の一木さんとも相談しましたし、原稿を読むシーンでも、当時の癖というか、そういうことも練習させてもらいました。特に僕は舞台をやる時は、どれぐらいの声でお客さんに届くのか、お客さんの手前で止めるのか、直接表現するのか、その先に行かせるのかということは意識してやっています。今回は映像でしたが、言葉をどう伝えるのか、表現するのかということを探っていたような気がします。

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