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「3人の男性の夢、そしてその夢に対する執念をそのまま感じてほしい」『ボストン1947』カン・ジェギュ監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年8月29日 18時30分

-フィクションとノンフィクションとの割合はどんな感じなのでしょうか。

 まず、1947年という時代をできるだけそのまま映画の中に持ってきたいと考えました。それは当時を感じられる画面作りをするということですから、美術的な面でもかなり苦労したし、気も使いました。韓国は1945年の第2次世界大戦の終了とともに一応解放されたけれども、1950年には朝鮮戦争が始まります。1947年という時代は、そのはざまだったせいか、なぜか今まであまり作品として描かれてきませんでした。それは、その当時のことを知ることができる参考資料があまり多くないということも影響していると思います。いずれにせよ、本作においては、限られた資料の中でできるだけ忠実に描きたいと思いました。

 この作品は、事実に基づいてはいますが、作品の性格上、当然創作した部分もあります。ただ、創作して入れ込む部分はできる限り少なくしたいと思いました。主な登場人物である3人の男性の性格や人柄に、はっきりとコントラストをつける、でもちょっとエッジが効くような変化をつけるために、事実とは少し異なる部分を入れたりしています。ボストンマラソンのレースの部分は、できるだけ事実に基づいて、そのまま描こうと努めました。レースの場面などは、小説でも書けないような劇的な内容が実際にあったということです。

-この映画を日本で公開することについての感慨を。

 この映画は、3人の男たちが、スポーツを愛して、夢を見て、純粋に情熱を持ってマラソンに取り組んだことがそのまま伝わるといいと思ったのですが、もしかするとこの映画を見て、ある人は愛国主義的だと感じたり、国家主義的だと思うかもしれないという心配がありました。私はあくまでもこの3人の男性の夢、そしてその夢に対する執念をそのまま感じてほしいと思っていました。私がこれまで作ってきた映画は、『銀杏のベッド』(96)以外は全て日本で公開されているのですが、もしかするとこの映画は日本では公開することができないかもしれない、配給されないかもしれない、日本では見てもらえないかもしれないと思ったりしました。ただ、その考えは違っていて、私が憂慮していたようにはならず、日本の皆さんはこの映画を見て、居心地の悪さを感じることはなく、純前たるスポーツ精神が描かれたスポーツの映画だというふうに捉えてくださったようです。それは本当に幸いだったと思います。

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