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「“三好彩花”という名前に、運命というか、ご縁を感じました」三吉彩花『本心』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年10月26日 9時10分

-池松壮亮さんの印象は?

 池松さんと石井監督は、長年一緒にやられてきているので、お二人の間にはあうんの呼吸みたいなものがありました。なので、うまく懐に入り込めないかなと思っていたんですけど、池松さんご自身は、ご本人はどれぐらい意識されているのか分かりませんが、朔也として現場にいながら、全体をものすごくフラットに、客観的に見ていらっしゃいました。一度、作品に対する向き合い方や、監督やいろんな方との向き合い方について相談した時、「あの時からそういうふうに感じていたよね」とか「あの時のシーンはこうだったよね」と言ってくださって、普通は見落としてしまうようなところもちゃんと見ていて、記憶に残してくださっていて。それが誰に対してもそうなので、池松さんの人柄に救われたのは、私だけじゃないだろうなと思います。「静かな大きな男」という言葉がピッタリというか、それぐらいありがたい存在でした。

-演じる上で心掛けたことはありましたか。

 この作品をやる上で、自分が「三好」としてできることってなんだろうとも考えましたし、自分自身が家族との向き合い方について、小さい頃からコンプレックスを感じていることもあって、そこを乗り越えられなかったとしても、自分が何かアクションを起こして一つでも変わることができたら、それが全てこの作品の「三好」という役に投影できるかもしれないと思いました。そういった家族との向き合いの場を設けてというところが、一番心掛けたところというよりは、それが必然だったのかなという気持ちはあります。

-石井監督の演出はいかがでしたか。

 厳しいというよりも、一つ一つのシーンに対して、細かく分析しながら考えていらっしゃいます。例えば、私は無意識だったのに、「何で今飲んだの」とか「何で今ここで触ったの」と聞かれました。監督の中では、「三好」にとってはそれが大きな意味があるから、みたいな演出をしてくださいました。そういう意味では、一つ一つの会話のコミュニケーションは、すごく多かったと思います。だから、監督が厳しくてしんどかったというよりも、「三好」という役との向き合い方や、自分の本心との向き合い方でいっぱいいっぱいになっていて、精神的にこんなにきつい現場はないというぐらいでした。でも、そうした中で、的確な、自分には見えなかった視点を教えてくれるような演出をずっとしてくださったので、とても学びになりました。

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