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高橋克典、還暦を目前に「変わらないものを持ち続けていきたい」 舞台「応天の門」では新たなハマリ役・在原業平に挑む【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年11月29日 8時0分

-本作の製作発表では、菅原道真役の佐藤流司さん、昭姫役の花總まりさんと登壇されました。二人の印象は?

 佐藤くんはまだ若さ故にとんがっているのかなと思いましたが、とてもすてきな心の持ち主。コミュニケーションの段階から困るような人だとどう作ったらいいんだろうと不安だったので、安心して作っていけると思います。花總さんはとても可愛らしく、芯の強さとはかなさを兼ね備える人。昭姫の役もよく似合っているので楽しみです。きっとカッチリと役を作ってこられるのではないかなと思います。

(取材当時)これからお稽古が始まりますが、お稽古に向けて楽しみにしていることを教えてください。

 今回の作品は、オムニバスなんですよ。いくつかの話から1作が出来上がっているという作品なので、僕にとっては初めての挑戦です。どうなるのだろうと、本当にやってみないと分からないというのが正直なところです。ただ、きっと(演出の)青木(豪)さんが飽きさせない芝居にしてくれるのだと期待しています。そして、難解なせりふを掘り下げて作り上げるというよりは、非常に分かりやすく簡潔な展開で書かれていることもありますが、エンターテインメント性の高い舞台になるのだろうなと感じてます。なので、間口が広い、いろいろな方に楽しんで見ていただける作品になるのではと思います。大河ドラマを見て、平安時代に興味を持った方にもぜひ来ていただきたいですね。原作ファンの方はもちろん、さまざまな世代の方にも来ていただきたいと思います。

-ところで、公演中の12月15日には、還暦を迎えられます。そうした意味でも、今年は節目の年になりますね。還暦を迎えることで心境に変化はありますか。

 若い頃には意外と戻れるものですが、歳を重ねないと分からない気持ちもあるので、役の幅が広がっていることは感じています。家族を持ったり、子どもが生まれたり、歳を取ったりしたことで、人生の終わりについて考えることも増えてきました。40代までは「人生の終わり」なんて、全く考えたことがなかったんですよ。50代になって、なんとなく先も視界に入ってくる。そして今、「還暦」と周りから言われて、少しうるさいなと思いながらも(笑)、変わらないところは自分の中で持ち続けて、良質に熟していけたらと思います。

-歳を重ねることは楽しいですか。

 そうですね。いいことだと思いますよ。もちろん、楽しさと寂しさといろいろな思いがありますが。そうした気持ちの全てを俳優として演技に使っていけるので、俳優とは面白い職業だなと思います。

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