「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第一回「ありがた山の寒がらす」綾瀬はるかの語りから探る物語の行方【大河ドラマコラム】
エンタメOVO / 2025年1月9日 17時1分
さらに劇中、蔦重が吉原の場末にある“浄念河岸”の女郎屋を訪れる場面では、次の語りが入っていた。
「そう、吉原の中は今でいうところの、結構な格差社会でございました」
厳格な身分制度が存在する中に登場した“格差社会”という言葉。ますます江戸中期が今の世と重なってくる。さらに森下氏は、物語の時代背景について、次のようにも語っていた。
「『べらぼう』の時代は、経済を立て直そうとしているとき、異常気象が発生し、すべてが振り出しに戻ってしまうんです。これは、私たちがこの夏(2024年の夏)経験したことではないかと。そのくらい、時代的にはよく似ていると思います」
決定的ともいえる言葉だが、そんな現代にも通じる格差社会の江戸時代中期を、蔦重がこれからどのように生き抜いていくのか。初回試写会の時に行われた会見では、主演の横浜が蔦重について、「町人なので、見てくださる方々と同じ目線で、自分ごとのように近く感じられて、共感していただけると思う」と語っていた。この言葉の通り、蔦重の生きざまを、格差社会の現代を生きる私たちに引き寄せて見られるのではないかと期待している。
(井上健一)
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