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小泉堯史監督、松坂桃李「この話は、今だからこそちゃんと残す意義があると思いました」『雪の花 -ともに在りて-』【インタビュー】

エンタメOVO / 2025年1月18日 8時0分

松坂 疫病が広まったことによって、漢方医だった良策さんが改めて一から蘭方を学び直すというのは、すごく大変なことだったと思います。それは、漢方医としてのプライドもある中で、新しいものを取り入れて、多くの人たちの命を救いたいと思ったからです。無名の町医者ということで、風当たりがすごく強かったにもかかわらず、献身的な妻・千穂(芳根京子)の支えや、役所(広司)さんが演じる日野鼎哉(ていさい)先生をはじめ、多くの人たちの手を借りながら、自分の足を使って、多くの人たちの命を助けるという偉業を成し遂げた。良策さんの医者としての志の強さみたいなものをすごく感じました。

-演じる上で、心掛けたことや気を付けたことはありましたか。

松坂 監督から「本番までに本読みやリハーサルを重ねてきたので、あとはもう素直に演じてもらえればいい」という言葉を頂いたので、それを頼りに演じさせていただきました。本番までにやれるだけのことはやったということです。あとは相手のせりふをきちんと聞いて、その場に立った時に目に入ってくる情報や、相手の表情などもちゃんと受け入れられるようにリラックスした状態で臨むことで、ようやく素直に演じることができるのかなと思いました。

-監督、松坂さんの演技はいかがでしたか。

小泉 俳優さんが難しいのは笑顔ですかね。彼はそれが自然で素晴らしい。それを毎日見られるのは楽しみでした。美しい笑顔は芝居ではなかなか作れない。これは天性のものです。でも芝居は芝居。きちんとその役をつかんで、その人物を実在感をもって立ち上げることが俳優さんの力量です。それは歴史に対する想像力にもつながります。その時代に生きた人をきちんと捉え、現在に生かすことが大事ですから。

-監督の演出で印象に残ったことは。

松坂 今回初めて経験したんですけど、寄りの演技であればあるほどカメラが遠くなっていきました。そうすることによって役者はカメラの存在が気にならなくなり、より自然なお芝居に近づけるというお話を聞いた時に、なるほどと思いました。自分が今まで経験した現場だと、寄りの演技であればあるほどカメラは人物に寄るのですが、小泉組は逆なんです。すごく新鮮でした。

小泉 僕なんかそれほどでもない。黒澤(明)さんだったらセットをブチ抜き、ステージの隅までカメラを持っていきますから。

-監督、松坂さんが暴漢をたたきのめすシーンは、黒澤監督の『赤ひげ』(65)で三船敏郎さんが遊郭のやくざをたたきのめすシーンととても似ていると思ったのですが、意識しましたか。

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