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狙うはニセコのインバウンド⁉ ビールにジン、イタリアンも!蘭越町の薬草プロジェクト

テレビ北海道 / 2024年5月30日 17時53分

ブランド米「らんこし米」の産地として知られる後志の蘭越町では、コメに続く特産品に育てようと、町などが進める薬草プロジェクトが注目を集めています。

薬草プロジェクトは、蘭越町と京都大学、東京の医薬品開発支援大手「シミックホールディングス」の3者が4年前にスタートしました。薬用植物の研究栽培は羊蹄山のふもとにある町営の研修農場で行われています。農場には農業用ハウスなどの施設が整います。ここでは、京都大学が開発し、レモンの香りがする赤ジソ「下阿達(しもあだち)」のほか、滋養強壮に効くとされる薬草の代表格「高麗人参」、苦みが強く胃腸薬に用いられる「ヒキオコシ」の3種類の薬用植物の栽培が進められています。北海道は気候が涼しくて病虫害が少ないため、薬草栽培に適していて、生育も順調です。

高麗人参は国産の最上級品として知られる「雲州人参」の産地・島根県松江市から取り寄せた種を、ハウス内でポット栽培しています。栽培が始まった4年前は、わずか150ポットでしたが、冬の間、加温するなど、北海道に合った栽培方法を確立したこともあり、今年は約4千ポットにまで増える予定です。ただ、薬用に適した大きさに成長するまでには7年ほどかかります。また医薬品に関する法律によって大規模に栽培しなければ採算に合わないというネックもあります。このため、プロジェクトでは当初から、種を植えて2年ほど、長さ10センチ未満の高麗人参を収穫し、薬膳料理の食材として活用することを目指しました。

2021年と23年には道内外の有名シェフを招いて薬膳料理の試食会を町内で開きました。酢飯に高麗人参のみじん切りを入れたサバの棒ずしや、葉や茎をバジル風に使った洋食料理などが並び、試食した町民を楽しませました。一方、「下阿達」にはポリフェノールやカリウムなどが豊富に含まれています。レモンに似た香りと酸味といった特長を生かすため、主に飲料品への活用を目指しています。

昨年11月からはビールやジン、濃縮ジュースやハーブティーなど、下阿達を使った商品が続々と誕生しています。下阿達は比較的、栽培に手間がかからないことから、稲作農家などに委託する方式で、作付面積を増やしています。田植えや収穫の合間を使って副収入を確保してもらう狙いです。
おととしの22年に農家3戸・16アールで始まった栽培は、3年目の今年、6戸・32アールにまでに拡大。収穫量も初年度のおよそ3倍の1.5トンを見込んでいます。栽培する農家の期待も膨らんでいます。

プロジェクトでは薬用植物の栽培と事業化によって、農家経営の基盤を強化することのほかに、障がい者や高齢者の雇用の確保なども狙っています。そして、プロジェクト成功のカギを握っているのが隣接する国際的リゾート地・ニセコエリアの存在です。蘭越町は薬用植物をニセコ地域のスキー場やホテルなどに料理の形で売り込みたい考えです。

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