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口の端から耳にかけ自分の顔を切る ススキノ殺人裁判で母親が娘の自傷を証言

テレビ北海道 / 2025年1月29日 16時17分

札幌・ススキノでおととし、男性が殺害され、親子3人が起訴された事件。殺人などを手助けした罪などに問われている父親で医師の田村修被告(61)の5回目の裁判員裁判がきょう、札幌地裁で開かれました。

ススキノのホテルでおととし7月、恵庭の会社員男性が殺害され、頭部を切断された状態で見つかった事件では札幌・厚別区の田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪でそれぞれ逮捕・起訴されています。今月14日の初公判で父親は「無罪」を主張していて、殺人や死体遺棄を助けた「ほう助」の罪が成立するかが争点となっています。

5回目のきょうは、午後から弁護側の証人尋問が行われ、去年から先行して裁判を行っている母親の田村浩子被告(62)が証言台に立ちました。黒いスーツに紺のネクタイ姿の修被告も浩子被告を見つめながら、その言葉に耳を傾けました。

弁護側と母親・田村浩子被告の主なやり取りは以下の通り。

Q 初めに被害者、その家族への思いは?
A もしこのようなことが起きなければ、●●さんと大切な家族が過ごす時間はまだまだ続いていた。それを思うと申し訳ない気持ち。かけがえのない●●さんを失わせてしまい、取り返しのつかないことになってしまった。心より深くお詫び申し上げたい。
Q 瑠奈被告を「お嬢さん」と呼んでいた?
A 18歳の頃、「瑠奈は死んだ」と言われた。「あの子の魂はここにはいない」「体に入っているのはルルー、シンシア(妄想の中のキャラクター)だ」と。「私はだれだと思う?」と聞かれて、もし間違えたら怒ってしまう。便宜上、「お嬢さん」という呼び方を始めた。
Q 「死んだ」のきっかけは。
A いろんなことの蓄積だと思う。私の中で一番後悔しているのは、瑠奈が高校生年代のころに他の同級生が単位を取って卒業していく中で娘はできなかった。それで家の中で声に出して「どうしてできないのだろう」などと言ってしまい、もしかしたら聞こえてしまったかもしれない。その日を境に(娘と)ちょっと距離感が生まれてしまったように感じている
Q 瑠奈被告の中には他にもキャラクターが?
A ルルー、ベイビー、低い声の男のキャラクター。田村瑠奈のボディーの中に入れ替わりでそれらが入っていた。
Q そういう妄想が出るまでは親子として接していた?
A 中学のフリースクールのときのイベントでは、遠くから「お母さ~ん!」と言って駆け寄って飛びついてきてくれた。
Q そういった妄想についての方針を修被告とはどのように話していた?
A 突き詰めて方針を話し込むことはなかった。子どもクリニックに自分から通いたいと言って通い始めたときは改善がなくて(本人が)「やめる」となった。自宅の近くの精神科クリニックに行ったこともあったが先生と合わなくて(通院を)やめた。20歳すぎて通い始めたクリニックは先生のことを信頼していてずっと通いたいと言っていたが先生がご病気で倒れられて通うのをやめた。
Q 他にも病院への通院はあったのか
A あった・・・かもしれません。夫の修さんがそういうときは病院に連絡を入れてくれて。夫が精神科医。よほどのことがあれば夫が判断して病院に連れていく。日常生活は支障なくできていたし、(なにかあれば)夫が「そこはこうしたほうがいいよ」などと言ってくれるはず。病院に連れていく判断は・・・(私はしていなかった)。
Q 社会との関わりは?
A どこかに行きたい、何がしたい。自主的にやりたいといったことにはなるべく応援しようと接してきた。
Q 瑠奈被告の生活リズムは?
A 昼夜逆転。夕方4時くらいが朝。一晩起きて明け方6時くらいに眠る。これが生活パターン。
Q 浩子被告は?
A 夜10時前後には寝る。できるだけ早く眠りたい体質。朝6時くらいに目覚めて7時くらいに起きて。
Q 一緒の生活は5~6時間ほど?
A そうだったと思います。
Q 瑠奈被告は1人で外出は?
A できません。
Q 修被告と外出する?
A はい。ゲームセンター、ディスカウントストア、パワースポット、心霊スポット・・・好きなドール(人形)のお店や怪談バーなどへ。
Q 社会経験と考えていた?
A (外に)出たいという要望があるということは、いずれ社会に出る上で望ましいことだと思っていた。
Q 自殺未遂もあった?
A 18歳のときにはカフェインの過剰摂取。事件の少し前にはロープで首を結んだが「死ねなかった」と言っていた。(妄想上のキャラクターに)「まだこちらに来る時期じゃないよ」と言われたとも言っていた。他にも首筋を切ったり、自分の身体を傷つけることがあった。
Q どのように?
A (ここで声を詰まらせ涙ぐみながら)よく切っていたのは口の端から耳にかけて。(妄想上のキャラクターと)「同じ顔になりたい」と繰り返していた。
Q 浩子被告はどのような感情に?
A 悲しかったが、「なんであなたの身体じゃないのに悲しむんだ」などと言われてしまった。それ以降は態度に出さないように気を付けていた。
(中略)
Q 瑠奈被告がやりたいようにさせていたのか?
A いいえ。
Q (日頃から送迎役をしていた)修被告と瑠奈被告の関わり合いについては?
A 修さんは日中も仕事。とても過酷なスケジュールだったと思う。(連日の夜の外出などは)修さんには本当に申し訳なかったが、娘の将来に何かつながるかもしれないと思い、良しとしていました。
Q 注意したことは?
A あります。帰りが夜中の1,2,3時などと続いたときは修さんの健康も心配だったので「もう少し早く引き上げてきて」と言ったこともあります。
(中略)
Q 瑠奈被告の精神的な不安定さについては?
A とても不安定になると激しく怒ったり「ちょっと出て行って」と言われたり。修さんと2人で家から出ることもあったが、その間に自分の身体を傷つける行為をしていることもあった。
Q 激しく怒ることは?
A 平均すると月に1回ほどだったと思う。
Q そのときはどう対応していたのか?
A 一度怒り始めると収まらない。自分で自分に燃料投下をするタイプ。(私たちは)ただその場を離れて、落ち着くのを待つのが良いと思っていた。

浩子被告への証人尋問はあすも行われる予定です。
父親の修被告の裁判員裁判は最長で12回とされていて、判決は3月12日を予定しています。

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