秋の叙勲と褒章 受章者が立ち向かう復旧復興への思い
テレ金NEWS NNN / 2024年11月4日 18時57分
秋の叙勲と褒章の受章者が発表され、石川県内からは合わせて67人が選ばれました。このうち、建設業と輪島塗に携わってきた受章者の2人に、これまでの歩みや今の思いをうかがいました。
今回、旭日双光章を受章した金沢市の鶴山庄市 さん(72)。銀行員を経て、半世紀近く建設業に携わってきました。現在は加賀建設の会長を務める鶴山さんが、特に印象に残った仕事としてあげたのは…
旭日双光章を受章・鶴山 庄市 さん:
「特別の分野だと思いますわ、新幹線。そこへ何とか携われたらいいなと」
ほかの建設会社と共同で作業にあたった北陸新幹線の延伸工事です。ことし、県内全線開業を迎えた一大事業への参画は何事にも代えがたい経験だったと話します。
旭日双光章を受章・鶴山 庄市 さん:
「規模がでかい全然違う、今までと。誇らしく思いましたし、やっぱりこれをしっかりやっていくべき仕事だなと。石川県あげて要望しているそのプロジェクトに携われると、これは建設業者冥利に尽きる」
現在、石川県建設業協会の会長も務める鶴山さん。いま、業界を挙げて取り組まなければならないこととして真っ先に挙げたのは被災地の復旧復興でした。
旭日双光章を受章・鶴山 庄市 さん:
「2007年の能登半島地震があった。あの時は能登地区の業者だけで全てやった。今はそんな状況じゃありません。今、オール石川をあげてやっていかないと、そういう感じを持ってますので。復旧をとにかく一番に考えて、その中で少しずつ今度復興工事に掛かっていく」
県内の建設業者全体でこれからも被災地を支援していきたいと意気込みます。
一方、黄綬褒章を受章した輪島市の惣田登志樹 さん(72)。高校を卒業後、地元輪島で修業し20代で独立。その後、40年以上、輪島塗工房を営んできました。
しかし、その工房は…
黄綬褒章を受章・惣田 登志樹 さん:
「泥で埋まって、物が散乱して、そこら中に行方不明状態です」
9月の奥能登豪雨で裏山が崩れ、愛用してきた道具類は押し寄せた泥に飲み込まれました。その一部はなんとか見つけ出しましたが手入れなしでは使えない状態です。
黄綬褒章を受章・惣田 登志樹 さん:
「これが塗師小刀といって、へらを削る小刀なんです。これも土砂の中に埋もれていた。こういう状況です。これは研げば、また復活しますから、そのあたりは良かったなと思ってるんです」
仕事をしているときが一番気が休まると話す惣田さん。工房から1キロほど離れた場所を借り、今後はコンテナハウスで仕事を再開する予定です。
黄綬褒章を受章・惣田 登志樹 さん:
「室町時代からずっと脈々と続いて、それを今の我々の時代に無くす訳にいかんし、一人でも後継者の育成をして輪島での漆の仕事を伝えてもらいたいと思ってます」
輪島塗の技術を守り、次の世代へ。それが、惣田さんの切なる願いです。
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