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あれから1年 時間は止まったまま 癒えない悲しみ抱え遺族は… 

テレ金NEWS NNN / 2025年1月6日 18時32分

テレビ金沢NEWS

能登半島地震から1年となった元日は、地震や豪雨で亡くなった人を悼み、輪島市内で追悼式が行われました。そこには、癒えない悲しみを抱えながら次の一歩を模索する遺族の姿もありました。

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石川県内で498人が命を落とした能登半島地震。地震が発生した午後4時10分。

「黙とう」

輪島市内では遺族や関係者らが出席し、地震や豪雨の犠牲者を悼む追悼式が開かれました。

石川県・馳 浩 知事:

「復興の先にある新たな能登の未来を築く、という強い決意を新たにしたところであり、全力を傾注し、復興への道を切り開いていくことをここにお誓い申し上げたいと思います」

石破首相は…

石破 茂 首相:

「生活となりわいの再建、被災地の創造的復興に政府一丸となって取り組んでまいります。世界一の防災大国にすべく力を尽くしてまいりますことを、ここに固くお約束をいたします」

追悼式には、多くの遺族も出席しました。

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穴水町で起きた土砂崩れで家族全員を失った寺本直之さん。

寺本 直之 さん(去年1月8日):

「みんな生きてて欲しいんです。なんで1日に、こんな地震でこんなことされなければならんかって」

土砂に飲み込まれた妻の実家。親族と共に妻と4人の子供たちが遺体で見つかりました。

ことし元日、土砂崩れがあった現場を訪れました。

寺本 直之 さん:

「これからは亡くなった人のために伝えていく。ちょっとでも何か他のところに手助けができるのであれば、していきたいなって思います」

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去年1月。斎場で出会った金沢市の角田貴仁さん。

角田 貴仁 さん:

「助けたかったんですけどね」

珠洲市の実家に帰省中、妻・裕美さんとひとり息子の啓徳くんを亡くしました。家屋の下で啓徳くんは、音を立てて居場所を伝えたといいます。

角田 貴仁 さん:

「必死でたたいて私に教えてくれて本当に立派な息子でした」

あれから1年。毎週、仏前には二人に似合う色の花を供えます。

角田 貴仁 さん:

「梁と畳に挟まれて視線の先に母親がいたものが、啓徳が見た最後の景色ですからね。それを思うとどんな思いやったかなと」

しかし…

角田 貴仁 さん:

「僕一度も手を合わしたことがないんですよ、実は。合掌したことがない。受け入れてないんでしょうね。認めたくないんでしょうね、どこかでこの状態を」

貴仁さんの時間は止まったまま。日々二人に思いをはせます。

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輪島市で倒壊した7階建のビルに店舗兼自宅が押しつぶされ、妻と長女を失った楠健二さん。

楠 健二 さん:

「自分の娘、大好きな女房がいるのに出せない、こんな悲しいことないよ、耐えられないよね。頭おかしくなるよ」

ビルの公費解体が進む現場に、現在暮らす神奈川県から車で8時間かけて訪れました。

楠 健二 さん:

「ああ、こうやって無くなっていくんだなと思って。当然、忘れ去られるんだなっていうのが、やっぱり、そこは感じたよね」

線香をあげ、心の中で2人に声を掛けました。

楠 健二 さん:

「あの日からずっと今日の今日まで。当然謝ることしかできないので、女房にはね、苦しめてごめんねって言うし、娘には命があって、俺との会話もしてたのに。助けて、絶対助けてやるからなとは言ったのに、助けてあげられなかった。だからごめんねって言うしかないね。悲しみとあれを抱えながら生きていくしかないんで。もうただそれだけです」

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地震のあと、大規模な土砂崩れが発生した輪島市市ノ瀬町。

垣地 弘明 さん:

「3日の現場行って、誰もいないんですけど、現場行って、弟の名前叫んで何回も叫んで、でも返答がない」

垣地弘明さんの弟・英次さんが行方不明に…

豪雨などで中断をはさみながら捜索は続けられ、11月に英次さんの遺体が見つかりました。

元日。垣地さんは自宅の跡地で、花を手向け、黙とうをささげました。

垣地 弘明 さん:

「遺族としても二人きりの兄弟だけだったので、僕が責任もってずっと弔っていきたいなというふうに思います。できる限り体が動く範囲でね、先祖、お袋も、お墓も土の中に埋まったままですけれども、その辺も守っていきたいなというふうに思っております」

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珠洲に帰省中、地震で妻と3人の子どもを失った大間圭介さん。

大間 圭介 さん:

「怖かったね...寒かったね。すぐに助けてあげたかった」

地震後、初めて土砂崩れが起きた妻の実家を訪れました。

大間 圭介 さん:

「この1年というタイミングで、 来なくてはいけないのかなという思いもあったから来たというのもあります。亡くなった家族と一緒に過ごしてきた1年だったかなと思います。家族に生かしてもらったのかなという思いが強いので残りの人生、家族の分まで家族のやりたかったことをしてあげられたらなと」

去年は、未曾有の災害に相次いで見舞われた石川県内。それぞれの願いを胸に…新たな1年が始まりました。

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