「っぽいよね」と言わせたい! ファン目線で不動の人気をつかみ取ったアイドル振付師
占いTVニュース / 2018年6月2日 19時0分
■やりたいことはある。でも、ぴったりの仕事が見つからない
「アイドルに特化した振付師」として、PASSPO☆、アップアップガールズ(仮)、HKT48など300人以上のアイドルに振付指導をしている竹中夏海さん。今やアイドル界には欠かせない存在である彼女も、初めからこの道を見出していたわけではない。
「振付師になりたくて、大学でダンスを専攻していました。自分の思いを表現する『アート寄り』のダンスではなく、人を喜ばせる『エンタメ寄り』のダンスに興味があり、お客さんを巻き込んで楽しめるような何かができたらいいな、と。でも、具体的に何をするかは見つけられず、ジャンルも定まらないまま卒業が近づいてしまいました」。
結局、進路は決めきれず、卒業後はいったんダンス講師に。好きなダンスの仕事には就いたわけだが、何となく悶々とした日々を送っていた2007年の大晦日、静かに転機が訪れる。テレビでBerryz工房のパフォーマンスと出会ったのだ。
■Berryz工房との出会いでつながった点と点
Berryz工房は、シャ乱Q・つんく♂がプロデュースを手掛けた、ハロー!プロジェクト所属のアイドルグループ。2007年の紅白では、「ハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊」の一員として、モーニング娘。らとともにパフォーマンスを披露していた。
「第一印象は『かわいいな』『いい曲だな』ぐらいだったんですけど、気になってミュージックビデオを見るうちにすっかりハマってしまいました。振り付け面白いなーって」。
好きなものにどっぷりはまる状態を「沼にハマる」とも表現するそうだが、竹中さんも気づいたときには、アイドル沼にハマり始めていたらしい。
「ステージでは、アイドルがお客さんを喜ばせますよね。でも、お客さんもアイドルの気持ちに応えようと、一生懸命踊ったり、大きな声で声援したり、演者であるアイドルを喜ばせている。それでいて、お客さんはアイドルの邪魔はしないんです。お客さんもプロ意識持って観ているんだな、アイドルのライブは、演者であるアイドルとお客さんと、互いのリスペクトに溢れた空間なんだなと感動しました。
そのとき、ふと思ったんです。ライブに来てるお客さんって一緒になって踊るよね……アイドルのダンスってみんなを巻き込んでるよね、と。このとき、私の中で点と点がつながりました」。
竹中さんは、ずっと探し求めていた「お客さんを巻き込むエンタメ寄りのダンス」とは「アイドルのダンス」なのではないかと気づき、「アイドルの振付師になろう」と決意したという。世界で唯一の「アイドルに特化したコレオグラファー(振付師)竹中夏海」が誕生した瞬間だった。
■アイドルは塩で食べるぐらいがちょうどいい
お客さんを巻き込んだエンタメ寄りのダンスを志向する彼女は、どんなスタンスでアイドルの振付をしてきたのだろう。その回答として「アイドルって『塩で食べるもの』だと思っている」というユニークな言葉が返ってきた。ダンスなのに、アイドルなのに、塩って何?
「『素材を生かす』ってことです。アイドルの場合、いいところもダメなところもその子の個性ととらえて、あえてキャラクターとしてダンスに反映させるようにしています」。
世の中には塩以外にもいろいろな調味料があり、好みの味を加えることはできる。だが、決して味付けしすぎないというのが竹中さん流だ。
■「っぽさ」を最大限生かす振付のベースにあるのはアイドル愛
味つけしすぎないスタンスの背景には、アイドルが好きで、何より個々のキャラを最大限に尊重したいという竹中さんの「アイドル愛」があるように思う。
なんでもアイドルのファンはステージを見たとき「その子っぽさ」に気づけると、優越感にも似た満足感を抱くらしい。一生懸命に応援しているからこそわかる「っぽさ」。つまりファンは「っぽいよね」を言い合いたいのだ。
と考えると竹中さんの振付はまさにファン目線そのものではないか。仮につたないダンスでも、気だるそうでも、それはその子の持ち味ととらえ、個性として生かす。アイドルがキャラクターを押し殺して踊る姿などありえないのだ。
一律に上手に踊れるアイドルを求めるのではなく、ユニットの中でどうキャラクターを生かせるかを追求して振付する。アイドル愛ゆえ、キャラを生かし、「っぽさ」を引き出す。「ファンの皆さんと一人ひとりのキャラを共有したい」という竹中さんの言葉にアイドルからもファンからも支持され、人気をつかんでいる理由がある気がした。
(福岡春菜)
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※画像出典/shutterstock
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